20日付米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」は、「中国は現在、緩慢な経済危機にある」と伝えた。その見出しは「中国経済の緩慢な崩壊」とセンセーショナルだ。これは米国と西側のメディアが最近出した中国経済衰退の記事の中でも目立っているが、かつてのさまざまな「中国崩壊論」と比べると目立つほどではない。90年代より「中国崩壊論」と「中国脅威論」が代わる代わる唱えられてきた。米国と西側の反中勢力による呪いと中傷は、風に乗り波を切って進む中国経済という大型船の独特な伴奏曲になっている。『環球時報』が伝えた。

　「人民日報」は同日、「初年度に大勢を見る」と題した1万字の長文を掲載し、今年の中国の経済・社会の発展を総括し、それを踏まえた上で来年の中国経済を分析した。この記事は中国経済を観察するためのより権威ある、より信頼できる判断の根拠を提供した。中国経済の安定しつつ好転、長期的な好転の流れが依然として顕著であることを示す事実とデータが増えている。悲観論は成り立たず、図り難い魂胆がある。

　成長率を見ると、中国経済の第1-3四半期の成長率は9.8％で、米国（5.7％）、日本（2.4％）、ドイツ（3.0％）などの世界主要経済体を大きく上回っている。2年平均の成長率は5.2％で、主要経済体の中でもリードしている。第3四半期は感染症や洪水などのさまざまな衝撃を受け、経済成長率がやや下がったが、経済の安定的な回復の流れは変わっていない。第4四半期に入り一部の指標が徐々に回復しており、通年で高い経済成長率が期待できる。国際通貨基金（IMF）の最新の予測によると、中国の今年の経済成長率は8.0％にのぼり、主要経済体のトップになる見通しだ。

　中国経済の四半期ベース（前年同期比）の成長率が、18.3％、7.9％、4.9％と、四半期を追うごとに下がっていることに注意する人もいるかもしれない。この低下は昨年の基準値が「前高後低」だったことによる客観的な影響であり、世紀の感染症に世界経済回復の不確実性の拡大という外部からの衝撃が加わったためでもある。しかしより重要なのは、中国が高品質発展を根本的な原則とした後、GDPの成長の意義が昔と変わったことだ。中国はGDP成長率を手柄とせず、その中身に注目する。より達成感・幸福感・安心感のある高品質の成長を促す。このような野心と志をないがしろにし、GDPの高低だけで中国の発展の大勢を見るならば、視野が狭く見識が浅い。

　高品質発展の促進は、中央から地方、地方から一般人に至る普遍的かつ高度な共通認識であり、今日の中国の至る所で見られる活き活きとした実践でもある。イノベーションを見ると、中国は世界知的所有権機関が発表した「グローバル・イノベーション・インデックス2021年」で12位に浮上し、高水準科学技術の自立自強のペースが上がっている。生態を見ると、中国は砂漠に一連の大型風力・太陽光発電所を建設しており、31件の重点任務でCO2排出ピークアウト及びカーボンニュートラルの「施工図」を明確にした。第1-3四半期のGDP当たりのエネルギー消費量は前年同期比2.3％減で、低炭素発展の理念が人々の心に深く根ざしている。今年に入り、外資導入額と貿易額がいずれも同期の過去最大を記録している。発展の強靭性が高く、潜在力が大きく、原動力が十分という中国経済の特徴が持続的に顕在化しており、引き続き世界経済の回復と成長を促す重要なエンジンになっている。

　中国人が楽に成果を出せるという夢を抱いたことはない。中国経済は現在、需要の疲弊、供給の衝撃、マインドの悪化という3つの圧力に直面している。中国はそれをはっきり認識している。中央経済工作会議は、来年の経済活動の徹底について「安定優先、安定しつつ前進」という基調を定めた。また一連の新たな判断、新たな認識、新たな手配を示した。中国人は、この絶えず変化する時代の構造において唯一把握できるのは、自分の事に揺るぎなき姿勢で取り組み、すべてのチャンスをつかみより壮大なる奮闘目標に向かい邁進することであると確信している。

　実践もまた、中国経済が安定しつつ好転し、長期的に好転することを絶えず証明している。これは現在の世界における最大の確実性の一つだ。

「中国網日本語版（チャイナネット）」2021年12月24日