デジタル経済モデル転換と感染症の影響により、雇用形態が柔軟な非正規雇用が拡大し、給与も増加傾向を示している。
中国テック系人材サービスグループの博爾捷集団の博爾捷人材研究院がこのほど発表した「博爾捷2022年給与報告書」によると、来年の中国給与予想増加率は5.28%。デジタル経済が進化し、デジタル化人材の給与が上がり、複合的な雇用が活況を呈している。柔軟な雇用が拡大し、給与も増加傾向を示している。また正規雇用の増加率を上回っており、予想増加率は7.2%となっている。
感染症により「従業員シェアリング」モデルが盛んになり、国も新経済形態企業による柔軟な雇用を支援している。企業の雇用形態への態度に変化が生じており、就業者の柔軟な雇用に対する許容度も徐々に上がっている。それと同時に給与も顕著な増加傾向を示している。これらは複合的な雇用の発展の原動力になっている。
具体的に見ると、柔軟な雇用は分かりやすく知識型と労働型に区別できる。うち労働力型の雇用が多く、85%を占めている。しかし給与増加率を見ると知識型の方が高く、14.3%にのぼっている。そのため、自営業もしくは副業により収入を増やそうとする多くのハイレベル人材を集めている。
博爾捷人材研究院は、「5G+クラウドコンピューティング+AI」の深い融合がデジタル経済の発展を促し、企業のデジタル化モデル転換が絶えず掘り下げられ、「新インフラ」「メタバース」関連の給与の増加をけん引するとの見方を示した。同時に柔軟な雇用という新しいモデルに注目する企業も増えている。さまざまな雇用形態に対して、企業が効率的かつ合理的に人材チームを管理することが、各社の研究の重点になるという。
給与の増加率を分析すると、企業のデジタル化モデル転換は発展の最中にある。インターネット及びIT業界は依然として人材争奪の重点業界であり、インターネット及びIT業界の給与の予想増加率は7.5%でトップになっている。
医療・医薬業界は7.3%の増加率で高安定成長の流れを維持している。国内で高齢化が進み、感染症が収束に向かわないことから、医療・医薬業界が重視されている。しかし薬品の調達、医療機器の調達、医療保険リストの更新、薬品価格の引き下げなども、核心的な研究開発能力を持たない多くの医薬品企業に一定の影響をもたらすことに要注意だ。
自動車業界は現在、重要な変革期を迎えている。多くの有名メーカーが次々と自動車製造に進出し、インターネットの考え方で車を作っており、自動車業界の給与を大幅に引き上げている。うち自動運転関連の人材の年収の増加率は20%以上で、特に不足している博士課程修了者は30%前後にのぼっている。
教育業界は「双減(ダブル負担軽減)」政策から大きな影響を受け、マイナス2.8%と初のマイナス成長となった。また一部地域の不動産政策の影響を受け、不動産業の給与も非常に控えめな3.1%増に留まった。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年12月28日