「我々は自社開発したCO2排出量カウンターで毎月のCO2排出量を追跡し、ユーラシア鉄道連合指数(ERAIインデックス)公式サイトで公表している。鉄道は非常に低炭素な貨物輸送方法だ」。ユーラシア鉄道物流株式会社(UTLC ERA)のアレクセイ・グロムCEOは、新華社の独占インタビューでこう語った。
UTLC ERAは、ロシア鉄道・カザフスタン国家鉄道・ベラルーシ鉄道の3社が均等出資で運営する鉄道輸送会社。ロシア・ベラルーシ・カザフスタンの三カ国で、中国と欧州を結ぶ国際定期貨物列車「中欧班列」にコンテナ国際輸送サービスを提供する。中欧班列は三カ国の1520mm軌間鉄道路線で貨物輸送の約8割を担う。
グロム氏によると、同社のCO2排出量カウンターは、ロシア・ベラルーシ・カザフスタンの鉄道路線を通過する中欧班列のCO2排出状況を追跡する。ERAIインデックスによると、2021年1-10月に三カ国を通過した中欧班列の貨物量は57万3千188TEUを上回り、CO2直接排出量は3万8千トンに上る。同じ条件で輸送した場合のCO2直接排出量は、海上輸送が約18万3千トン、道路輸送が340万5千トン、航空輸送が2020万トンとなる。
UTLC ERAのデータによると、2021年1-10月の同社の中欧班列貨物輸送量は前年同期比30.8%増加した。コロナ禍が海運・空運輸送に影を落とすなか、同社の鉄道貨物輸送量は近年急速に増加し、2024年の既定計画目標を前倒しで達成した。
グロム氏は、「ビジネスの急成長に伴い、環境問題への関心も高まっている」と強調する。鉄道は最も環境に優しい貨物輸送手段の1つであり、中欧班列は実際にCO2直接排出量を大幅に削減している。UTLC ERAはロシア・ベラルーシ・カザフスタン鉄道路線の主要キャリアとして、CO2排出削減に力を入れている。同鉄道路線は2022年に統一した電子貨物輸送状を導入し、CO2排出量情報を盛り込む予定。同社は革新的な低炭素鉄道物流技術の試行も行い、さらなるCO2排出削減を目指すという。
グロム氏はまた、電子貨物輸送状の導入により鉄道物流の予測可能性と追跡可能性も高まると考えており、「電子貨物輸送状はユーラシア経済連合におけるデジタル交通回廊システム構築の第一歩になる」としている。
「新たな貨物輸送需要とこれまでに築いた顧客からの信頼および交通回廊の整備により、ユーラシア大陸の鉄道輸送の将来は非常に明るい見通しだ」とグロム氏は語る。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年1月8日