江蘇省蘇州市の大潤発(星塘店)の駐車場左側にある、蔚来汽車のバッテリー充電・交換スタンドが24日、稼働開始した。これは同社の866軒目の充電・交換スタンドだ。国がバッテリー交換モデルの普及を明確に奨励し、工業・情報化部が11都市で新エネ車バッテリー交換モデルの試験的導入を開始し、寧徳時代や吉利などの業界大手の参入により、以前は期待されていなかったバッテリー交換モデルが再び注目されるようになった。今年は中国のバッテリー交換業界の高成長の初年度になるとする機関もある。
バッテリー交換の長所を再認識
「入庫、バッテリー交換、出庫」の全過程が自動化され、5分もかからないうちに1台の新エネ車が再びフル充電で走行できる。これは蔚来汽車の多くのオーナーにとって、すでに慣れたエネルギー補給シーンになっている。
蔚来汽車の高級副総裁の沈斐氏はバッテリー交換の長所について、「ガソリン車の給油のペースに匹敵する電力補給方法は、これが現在唯一というわけではない。しかもバッテリー交換ネットワークに基づくバッテリー高度化のコストは、通常の自動車整備体制によるバッテリー高度化を遥かに下回る」と説明した。
国務院弁公庁は2020年10月20日に「新エネ車産業発展計画(2021−35年)」を通達し、バッテリー交換モデルの普及奨励を明確にした。工業・情報化部は新エネ車バッテリー交換モデルの試験的導入を開始した。
寧徳時代は今年1月18日に、電気自動車のバッテリー交換に正式に参入し、バッテリー交換サービスブランドのEVOGOと、「チョコレート型バッテリー交換」というコンビネーション型バッテリー交換の全体的なソリューションを掲げた。吉利と力帆は6日後、重慶睿藍汽車科技有限公司の設立を発表し、バッテリー交換市場に参入した。
奥動新エネの責任者は、「大手の寧徳時代の参入は、バッテリー交換市場の空間を狭めず、むしろそのコースを広げ、バッテリー交換企業により大きな発展空間を与える。寧徳時代のバッテリー交換への参入により、当社の事業がより順調になった。一汽や広汽などの多くの提携先が自ら、バッテリー交換モデルの発展を検討しに来ている」と述べた。
中信証券は、今年はバッテリー交換業界の高成長の初年度になり、通年で3000軒を超える交換スタンドが新設され、25年には1万軒を超える見通しとした。
3つの難題の解消が必要
新エネ車の保有台数と使用台数が急増し、バッテリー充電及び交換サービスの需要も急増している。ところがバッテリー交換モデルの自動車・バッテリー分離の全ライフサイクル及びエコシステム建設における、一部の関連政策措置のブレイクスルーが待たれることも否定できない。
次に国家標準について、国家標準化管理委員会と工業・情報化部が2020年5月に「電気自動車安全要求」「電動バス安全要求」「電気自動車用動力蓄電池安全要求」という3つの強制性国家標準を発表したが、近年発表された多くの推薦性標準と業界標準が時代遅れになっており、改定・改善が待たれる。
また各バッテリーメーカーの研究開発の方向と進捗が異なっている。バッテリーのエネルギー密度、バッテリー構造、サイズ・規格などが統一できず、バッテリー交換モデルの規模効果の形成が難しくなっている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年3月28日