世界的なサプライチェーンの混乱を受け、「世界の工場」である珠江デルタは感染対策と経済・社会発展の同時進行に全力を尽くし、世界のサプライチェーンの重要な安定装置になっている。
オミクロン株の急激な蔓延を受け、深センは3月中旬に1週間のスローな生活を経た後、秩序正しく社会・生産・生活の秩序を取り戻している。
ホンダ、ルノー、日産などのグローバル企業を取引先とするバッテリーメーカーの欣旺達は、生産能力の回復への楽観を維持している。
欣旺達政府事務部副総経理の白雪峰氏は、「当社の通常ならば3700人以上の従業員がいる深セン光明工業団地は今回の感染拡大において、一時400人余りのみを残し全閉鎖の管理を行い、生産を続けた。現場の労働者の多くが団地付近で生活している。深センが3月21日に秩序正しく社会・生産・生活の秩序を取り戻すと、労働者がすぐに勤務を開始した」と述べた。
長年の市場開拓を経て、バイオ医薬品上場企業である新産業の製品がすでに、147の国と地域に輸出されている。新産業の1300人余りの従業員が感染拡大中に、工場内での閉鎖型生産・生活を実現した。
新産業公司副総経理の丁晨柳氏は、「世界の2万超の医療機関の毎日の正常な検査サービスを支えるため、当社は困難を乗り越え生産を維持する必要があった」と述べた。
「製造重鎮」である東莞は散発的な感染拡大を受け、最小の犠牲による最大の感染対策効果を発揮し、感染症の経済・社会発展への影響を最小限に抑えている。
東莞市沙田鎮にある富加宜コネクタ(東莞)有限公司は、世界で最も主要なコネクタ生産企業の一つだ。新型電子部品を開発・生産・販売しており、製品の約8割が輸出向けだ。同社は政府の指導を受け、厳しい閉鎖型管理を実施した。
閉鎖期間中に、同社の工場エリアで暮らす従業員は全体の8割の1150人。生産ラインは正常に稼働している。同社の人事マネージャーである熊暁梅氏は、「感染症は現在、当社に悪影響を及ぼしていない。今年1、2月の受注は前年同期比で53.6%増加した」と述べた。
港のスムーズな運行はサプライチェーンの重要な「血管」
深セン港には3月以降、1日平均で132隻の船舶が停泊している。コンテナ取扱量は1日平均6万4000TEUで、港は全体的に安定的かつ秩序正しく運行している。世界4位のコンテナハブ港である深セン港は100以上の国と地域、300を超える港と国際定期船でつながっている。
感染症は多くの企業の生産と経営に困難をもたらした。「世界の工場」の負担軽減措置により、企業は身軽になっている。
社会保険料の猶予もしくは減免、住宅公共積立金の猶予もしくは減額、失業保険雇用安定補助金支給政策の実施。
25日に発表された「新型コロナウイルスの感染対策による市場主体のさらなる支援に関する深セン市の若干の措置」は、コスト削減を政策実施の重要な取組内容としており、深センの市場主体の負担を750億元超軽減する見込みだ。
TCL華星光電技術の協力・管理所の責任者である覃偉武氏は、「当社の取引先にはソニーやサムスンなどの世界主流のテレビ工場がある。ディスプレイの365日・24時間連続の生産を維持する必要がある。感染症の特殊な時期において、関連部門は当社による川上サプライチェーンと物流の調整をサポートし、生産のリズムを整えた」と述べた。
覃氏はまた、「深センはこのほど企業を支援する『30条』を発表し、企業に『強心剤』を注入した」と述べた。
東莞は社会保障の支援拡大、金融サポートの強化、企業のリスク保障サービスの強化、経営主体の資金負担の軽減、経営主体のコストの圧力の軽減、防疫重点鎮街への特別補助という6つの面で、経済・生産をサポートしている。
「世界の工場」である珠江デルタは、チェーン・生産安定の積極的なシグナルを発している。得潤電子の取締役会秘書である王海氏は、「感染対策と経済・社会発展の同時進行により、企業と海外の取引先は安心感を得ている」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年3月28日