海南省の自由貿易港へのモデル転換は、中国・ASEAN貿易の新たな扉を開く。しかし専門家は、海南省の成功には信念と開拓精神の飛躍が必要になると述べた。減税により投資家・企業・個人を集め、ビザ発給要件の緩和により外国人観光客及び人材を集める。中国政府は2035年までに海南省を世界最大の自由貿易港にする計画を立てている。
海南自由貿易港の地理的位置は、ASEANとの関係強化に有利だ。ASEANは2020年にEUを抜き、中国にとって最大の貿易パートナーになった。
海南省の沈丹陽常務副省長は先週のボアオ・アジアフォーラムにて、「規制緩和と減税は、ASEAN企業の海南省への投資を奨励する。サービス業が特にそうだ。シンガポール、マレーシア、タイは以前、中国人観光客に人気の観光ルートだった。今後は国際観光島及び免税センターとされる海南省が、このルートの一部分になる可能性がある。外国の旅行会社は海南省で、大陸部ではできない事業を展開できるようになる」と述べた。
シンガポール国立大学東アジア研究所長、元世界銀行中国局長のバート・ホフマン氏は、海南省はさらに東アジア地域包括的経済連携(RCEP)協定の枠組み内で自身の位置を見いだす必要があるとした。ホフマン氏はボアオ・アジアフォーラムの会期中、「海南省は自由貿易港の建設でシンガポールを参考にできるが、これには一方が国であり、もう一方が省であるという差がある。海南省は中央政府とのより良い意思疎通によりその位置づけを明確にしなければならない。これが重要だ」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年4月27日