中国のモノの貿易総額は、2012年の24兆4千億元から昨年の39兆1千億元へと、「十八大(中国共産党第18回全国代表大会、2012年11月)」以降増え続けてきた。2017年から5年連続で世界一となり、モノとサービスを合わせた貿易総額も2020年に世界一に躍進した。
これは先般行われた「中国のこの十年」シリーズをテーマにした記者会見で発表された中国貿易の華麗なる実績だ。
商務部の盛秋平副部長は会見で、十八大以降、中国は貿易の安定化を着実に推し進めてきたことで、貿易の質の高い発展が歴史的な成果を上げ、国民経済の発展や世界経済の回復に重要な役割を果たしてきたと説明した。
貿易は、経済成長をけん引する「トロイカ」の一つだ。統計によると、2021年の中国のモノ・サービスの輸出入額は国内総生産(GDP)の成長に1.7ポイント寄与し、GDP成長率に対する寄与率は20.9%に上った。世界の輸入の伸びに対する中国の輸入の寄与率は13.4%に達し、世界経済の回復に大きく寄与した。
税関総署の王令浚副署長によると、2012年から2021年までの中国のモノの貿易の輸出入額の伸びは14兆7千億元に上り、2009年通年の輸出入総額に迫る水準となった。モノの貿易の規模は、2018年に30兆元の大台に乗せた後、2021年に40兆元の大台に接近し、世界市場シェアも、2012年の10.4%から昨年の13.5%に上昇。モノの貿易額で世界最大の国としての地位は確固たるものとなり、「世界の工場」であると同時に「世界の市場」であることを存分に知らしめた。
この10年間に中国の貿易は、量だけでなく、質と効率の面でも年々向上。貿易に携わる経営主体の数は1.7倍になり、貿易の「友達の輪」が年々広がっている。中国は、EU(欧州連合)や米国、日本、韓国などの従来の貿易相手国と良好な経済・貿易関係を維持する一方で、ASEAN(東南アジア諸国連合)、アフリカ、中南米などの新興国市場も積極的に開拓してきた。中でも注目すべきは、中国と「一帯一路」沿線国との貿易額が、2013年の貿易額全体の25%から2021年の29.7%に上昇していることだ。
貿易の質の高い発展を推進する中で、中国の輸出入商品の構造もより最適化されてきた。この10年で、主要な輸出産業は従来の労働集約型製品からハイテク産業へと産業の転換と高度化が進み、先端技術設備やコア部品、品質の高い消費財などの輸入を拡大してきた。知識集約型のサービス貿易は急速に拡大し、サービス貿易赤字は10年ぶりの低水準となった。新しい貿易の形態として、越境EC(電子商取引)の輸出入規模はこの5年で10倍近くになった。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年6月5日