「競争力強化法案」は米国の競争力を弱める

中国網日本語版  |  2022-06-05

「競争力強化法案」は米国の競争力を弱める。

タグ:競争

発信時間:2022-06-05 16:54:58 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 米国議会の上院と下院で修正と論争が繰り返された「競争力強化法案」がこのほど最終審議に入った。2021年6月に上院で可決された後、上院と下院で何度も修正された同法案は当初の1000ページ以上から3000ページ近くに内容が増え、ハイテク分野における米国の競争力向上を趣旨としている。量が多く複雑な内容の法案だが、「中国と競争し、中国が超えられない絶対的な競争優位を確立する」ことが法案全体の核心的な考え方となっている。


 確かに中国の総合的な国力の急速な向上に伴い、米国の技術力が相対的に低下していることは紛れもない事実だ。あるデータによると、米国政府の研究開発支出の対GDP比は1960年代の2%から現在は0.7%に低下し、世界でも12位にとどまっている。米国が科学技術の競争力を強化しようと躍起になるのは悪いことではないが、「中国脅威論」を口実に同法案の策定を進めるだけでなく、「デカップリング」によって自身の主導的立場を維持しようとするのは、米国の政治家の短絡的な発想と無知を露呈している。今回の措置は、米国の競争力強化につながらないばかりか、逆に米国の技術力と経済力の衰退を加速させることになりかねない。


 科学技術の進歩にはオープンで自由で寛容な土壌が必要だ。現代の科学技術は、世界中の科学者による共同努力によって長足の発展を遂げた。ヒトゲノム計画から国際熱核融合実験炉(ITER)計画、国際宇宙ステーション(ISS)プロジェクトから米国の火星探査計画まで、すべてが国際科学技術協力の成果である。現代のハイテク研究開発は一般的に多大なコストがかかるため、各国間の科学技術交流や協力があってこそ、互いの長所と短所を補完し合い、より効率的な進歩を遂げられる。技術大国として台頭しつつある中国は、世界の技術を進歩させる少なからぬ力を持っている。人工知能の分野で、中国は世界最多の人口と最大の市場を有しているため、データ面で他国にない優位性を有し、他国が人工知能の分野で中国との協力を熱望する重要な要因にもなっている。米スタンフォード大学人工知能研究所は今年3月に発表した最新リポートで、AI開発における中国と米国の主導権争いが話題になっているが、中国と米国は過去1年間に世界で最も多くのAIプロジェクトで協力していると指摘した。つまり、米国の政治家が米中間の技術協力の分断を強要するのは、「閉門造車(門を閉ざして車を作る)」「画地為牢(地面に円を描いて牢とする)」のように活動範囲を限定するだけで、米国の技術進歩を著しく阻害することになる。


 経済貿易の分野で中国と米国は長い間、「あなたには私がいて、私にはあなたがいる」という利益が交わる関係を形成してきた。上海の米国商工会議所が発表した2021年の世論調査によると、中国に進出する米国企業の7割以上が今後3年以内に中国から他国へ移転する計画がないことが明らかになった。また、米国経済分析局(BEA)が発表したデータによると、2021年上半期の米国の対中直接投資ポジション純流出額は前年同期比69.5%増の3億9000万ドルだった。中国の巨大市場、完備されたサプライチェーン、整備されたインフラは海外投資家が中国を好む大きな理由となっている。仮に「競争力強化法案」によって米国企業が中国市場から撤退することになれば、米国企業には莫大な経済的損失が発生するだろう。米国商工会議所は同法案について「米国の小売業者や企業に重い負担、責任、コストを強いることになる」と異議を唱えた。また、米紙「Politico」はウェブサイトで、中国を米国にとっての存亡の危機とみなそうと急げば、数十年にわたり無駄な支出を強いられることになるとの見解を示した。


 「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年6月5日

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