クリーンで低炭素な水素を燃料とする北京冬季五輪の聖火トーチ「飛揚」から、競技会場エリアを走行した千台余りもの水素燃料電池自動車に至るまで、水素エネルギーは2022年北京冬季五輪が掲げる理念「グリーンオリンピック」の重要な表現の一つであった。
3月23日、焦点となっていた「水素エネルギー産業発展中長期計画」が発表された。同計画は、中国の水素エネルギー産業の秩序ある質の高い発展に向けた明るい展望を描いており、これまで以上に期待される内容となっている。
専門家は、水素エネルギーは供給源が豊富にあり、環境にやさしい低炭素型で、幅広い用途を備えた二次エネルギーであり、水素エネルギー産業の健全かつ持続可能な発展を促進するものだと説明。クリーンで低炭素、かつ安全で効率的なエネルギーシステムを構築し、二酸化炭素(CO2)排出量のピークアウトと炭素中立(カーボンニュートラル)の二つの目標を達成する上で非常に重要だと語った。
同計画では、水素のエネルギー属性を明らかにし、水素エネルギー産業の中長期的な発展の方向性について明確にしている。
国家発展改革委員会ハイテク司の王翔副司長は「水素エネルギーは、将来の国家エネルギーシステムの重要な一部であり、最終エネルギー消費における環境にやさしい低炭素型の発展を達成するための重要な手段でもあると指摘。「電気エネルギーと同様に、水素エネルギーも一般的な二次エネルギーであり、一次エネルギーから変換して得る必要がある。違いは、水素エネルギーはエネルギー密度が高く、貯蔵方法が簡単なことにあるが、大規模かつ長期サイクルのエネルギー貯蔵に適しているため、再生可能エネルギーを大量消費する上で解決策を提供することができる」と語った。
王氏は、水素エネルギーはクリーンで低炭素型という特性を持ち、国境を越えて広く用いられる可能性があり、交通や産業で広く利用できるほか、エネルギー多消費型のCO2多排出産業にとって、良質な代替エネルギー源になると説明。最終エネルギー消費における水素エネルギーの利用を広く普及させることで、温室効果ガス排出を効果的に削減することができると語った。