文:ロシア人学者 アンナ・ブヤノワ
今年上半期、不安定な国際情勢や国内一部地域での新型コロナウイルス流行により、中国経済は困難に直面した。しかし、中国経済は粘り強く、潜在力が大きく、下半期の中国経済の動向は楽観的である。
中国が経済安定の一連措置を公布
中国政府はコロナ対策と経済・社会発展の両立を進めている。生産再開と成長促進をめぐり、中国政府は経済安定のための一連の措置を打ち出した。国務院常務会議は5月23日、6方面33項目の措置を実施することを決めた。財政と関連政策、金融政策、産業チェーンとサプライチェーンの安定、消費と有効投資の促進、エネルギーの安全維持と人民の基本生活の保障の6方面、税収減免、貸付返済延期、零細企業への財政支援、インフラ投資、国内消費の促進、生活保護受給者・生活困窮者の支援などの33項目。
中国は依然として世界の投資家に選ばれる地
近頃、中国の多くの地域で新型コロナウイルスが流行していることを利用し、西側メディアは中国で外国からの投資が減少したという事実と異なる情報を伝えている。
今年1~4月の中国の外資実質利用額は744億7000万ドルで前年同期比26.1%増加した。同時期の1億ドルを超える新規外資契約は185件に上る。これらの数字は、中国が依然として世界の投資家に選ばれる地であることを再度示した。
シンガポールのバイオ技術会社Celligenicsのクルト・ウィーCEOは、外国企業に引き続き楽観視するよう促し、中国で足元を固めている。彼は、「中国は引き続き自身の改善と発展を加速させる。このような速度で発展し、これほど巨大な市場があることは、一生の貴重なチャンス」だと述べた。
中国経済の基本面は変わらない
今年上半期、中国経済は多くの問題に直面したが、経済成長の鈍化と言うには現段階ではまだ早い。中国が上げた成果は、中国の経済成長を支える基本面はしっかりとしていることを示した。
世界の予測は楽観的でないが、2022年第1四半期の中国のGDPは前年同期比4.8%増加し、2021年第4四半期を上回った。国内外の現在の情勢において、このような成長は容易ではない。
今年1~4月の中国の貿易総額は12兆5800億元で、前年同期比7.9%増加した。これは、中国が新型コロナ流行が貿易に及ぼす影響を最小限に抑える能力を持っていることを示す。そのほか、中国は世界最大規模の中等所得者を有し、ビジネスの巨大な潜在力となっている。
中国経済の基本面は変わらず、経済のモデル転換・グレードアップ及び質の高い発展の動きも変わらない。
中国は世界サプライチェーンの安定器
米国と西側諸国は労働力不足と多くの港の滞貨により、サプライチェーン中断という状況に直面している。一方、中国は強大な産業基礎、安定したサプライチェーン、科学的な防疫政策で世界の安定維持に大きく貢献し続けている。
世界で新型コロナがまん延する中、中国は流行拡大を迅速に抑え、ダメージを受けた世界サプライチェーンを回復させた。ブルームバーグは、中国はiPhoneからテスラ、肥料、自動車部品に至るまで、本国から世界の地域への流れを維持したと論じた。
質の高い発展が未来の成長の巨大な潜在力を形成
中国は未来の成長のための基礎づくりを続けている。国は革新能力の向上に力を入れている。これは新発展モデルの推進、質の高い発展の実現を大きく支えている。
2021年の中国の全社会研究開発費は2兆7900億元、対GDP比は2.44%で、世界2位につけ、研究開発投資は過去最高を更新した。
ボストン・コンサルティング・グループ中国エリア会長の廖天舒(Carol Liao)氏は、中国は急発展から質の高い発展に移行し、企業に多くのチャンスをもたらしたと述べた。
要するに、中国経済は粘り強さ、巨大な潜在力、十分な旋回余地を有し、今年下半期の中国経済の動向はこれら全てを証明することになる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年7月8日