デジタルとリアルの融合は消費から生産へ、大企業から中小・零細企業へと広がる

　政府部門、中小・零細企業、金融機関をつなげることで「情報の孤島」、企業と銀行の「情報の非対称性」を効果的に解消するデジタル技術は、銀行の「貸す勇気、貸す意思、貸す能力、貸す可能性」を高め、中小企業の「資金調達の難しさ、コストの高さ、進展の遅さ」という問題の緩和も後押ししている。

　福建省で興業銀行が構築・運営する「福建省金融サービスクラウドプラットフォーム」は市場監督、税務、電力、社会保障など17の政府部門と公共事業機関をつなぎ、参加金融機関は116社で、登録ユーザーは21万社を超える。省内の金融機関は同プラットフォームを通じて570本以上の金融商品をリリースし、これまでに企業（個人事業主を含む）3万7000社以上の資金ニーズを解決、融資案件は4万4000件近く、総額は1500億元を超えた。

　デジタル技術は新時代の景観を描きながら、産業の未来の再構築も加速している。今年のデジタル中国建設サミット開会式で発表された「デジタル中国発展報告（2021）」によると、2017年から2021年にかけて中国のデジタル経済規模は27兆2000億元から45兆5000億元へ、GDPに占める割合は32.9％から39.8％へ増え、経済成長を駆動する主要エンジンの1つとなった。

　「デジタルトランスフォーメーション（DX）は時代の大勢となっており、デジタル経済の発展は中国にとって戦略的な選択だ」。中国科学院院士の梅宏氏はサミットで、伝統産業のDXがデジタル経済の主要な成長極として不可逆的な流れとなっており、各業態が情報化の主線をめぐって連携と融合を深め、自身のモデル転換、向上と変革を完成させると同時に、新業態が絶えず生まれるとの見解を示した。

　「中国網日本語版（チャイナネット）」2022年7月31日