中国住宅・都市農村建設部(省)都市交通インフラモニタリング・ガバナンス実験室、中国都市計画設計研究院、百度地図が7月29日に共同で発表した「2022年中国主要都市通勤モニタリング報告」によると、都市の通勤人口のうち、35歳以下の若い会社員の通勤に最も注目する必要があるという。
同報告によると、若者の間で最も注目度が高い北京、上海、広州、深セン、成都、杭州で働く若者の80%近くが、都市の中心地から15キロ以内で働いている。しかし、居住コストとコミュニティの環境の影響を受け、若者の65%は、都市の中心地から15キロ以上離れた場所に住んでいる。
うち、30%近くの若者が都市の中心地から15-20キロ離れた場所に住んでいる。それは、北京の五環路、上海の外環高速道路、深センの環状高速道路付近に当たる。そこに住む若者の割合は、都市の平均水準を2-3ポイント上回っている。
職と住が空間的に分離することにより、通勤時間が60分以上となる「極端通勤」が若者の間では一般的になっている。
同報告によると、主要44都市の1400万人が「極端通勤」の状態にあり、そのうち600万人近くが若者だ。都市別に見ると、北京の若者26%、上海の若者13%、広州の若者10% 、成都の若者10%が「極端通勤」の状態にある。通勤状況が比較的良好なのは深セン、杭州でも、「極端通勤」の状態にある若者は10%近くとなっている。
中国都市計画設計研究院交通研究分院データ応用・イノベーションセンターの付凌峰センター長は、「生活や仕事のためにできるだけたくさんの時間を残そうと、若者は非常に積極的に通勤を最適化しようとしていることは注目に値する。実際には、都市の中心地から15キロの範囲で、都市間鉄道を活用するというのが若者が通勤と住居コストのバランスを取るための手段となっている」と分析する。
同報告によると、上記6都市の若者80%近くの通勤時間が45分以下となっている。つまり、中国全土で通勤時間が最も長く、「極端通勤」の割合が最大(30%)の北京の若者でも60%近くの通勤時間が45分以下ということで、都市の平均水準を4ポイント上回っている。(編集KN)
「人民網日本語版」2022年8月3日