中国の中央銀行である中国人民銀行(人民銀)は10日に発表した2022年第2四半期(4~6月期)の中国金融政策施行のリポートで、新たな段階の金融政策の主たる運営構想を説明しました。同説明は人民銀による新たなシグナルと見なされています。
物価の安定は人民銀の最優先課題です。人民銀は今年の物価の推移について、予想通りの目標を達成することができるが構造的インフレの発生による圧力には警戒が必要であり、国内の食糧の安定した生産と増産やエネルギー市場の安定した推移にとっての有利な条件を絶えず作り出すなどの、適切な対応が必要と説明しました。
人民銀はまた、小規模あるいは零細企業への貸付への優遇策をさらに強化することで、雇用の安定を支持する考えです。専門家は、政策の実行をさらに加速し、内需を積極的に拡大し、小規模あるいは零細企業への貸付の優遇策を強化し、中小零細企業の安定した雇用を支援する必要があるとの考えを示しています。
穏健な通貨政策の内容にも変化が発生しました。専門家は、短期的な預金準備率の再引き下げや政策金利の引き下げの確率は小さいと分析しています。
市場が注目する不動産問題について、人民銀はリポートに「不動産物件は居住のためのものであって投資の対象ではない」、「不動産を、経済の短期的刺激策の手段としない」などの文言を盛り込んで、不動産市場の健全な発展と良性の循環の促進を強調しました。
「中国国際放送局日本語版」2022年8月14日