インドによるコメ輸出規制、世界のコメ価格への影響は?

中国網日本語版  |  2022-09-16

インドによるコメ輸出規制、世界のコメ価格への影響は?。

タグ:コメ輸出規制

発信時間:2022-09-16 14:36:16 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

    インド政府は8日、9日よりパーボイルド米とバスマティ米を除くコメの輸出に20%課税し、かつ破砕米の輸出を禁止すると発表した。


 インド農業省によると、インドの主要食糧生産地のウッタル・プラデーシュ州、西ベンガル州、ビハール州では6月に季節風による降水量が少なく、7、8月も降水量が不安定であったため、コメ栽培面積が前年同期の2670万ヘクタールから13%減少し約2310万ヘクタールになった。


 コメ生産量の減少が予想されるほか、インド国内で穀物の価格上昇が深刻だ。


 英紙「フィナンシャル・タイムズ」によると、インド国際経済関係研究委員会のアショク・グラティ教授は、「輸出規制は国内の穀物の物価上昇抑制を促す」と述べた。


 国内の供給の減少と物価上昇の懸念を受け、破砕米の輸出禁止と新たな課税が、インドによる年内の食品輸出規制の3つ目の重大措置となった。インドは過去100年以上で最も暑い3月と4月を経た後、各地の農業生産が熱波の影響を受けるとの懸念から、5月に小麦と砂糖の輸出を規制した。


 輸出税、アジアのコメ価格高騰を招く

 世界総合データ資料バンク「Statista」のデータによると、昨年の世界の主要コメ輸出国はインド、ベトナム、タイ、パキスタン、米国だった。インドは世界最大のコメ輸出国として、世界の米輸出の4割を占めている。インドのコメ輸出量は昨年、過去最大の2150万トンにのぼった。


 ロイター通信によると、ある貿易会社の在ムンバイ代理店は、「インドはこれまで最も安いコメ供給国だった。これはナイジェリア、ベナン、カメルーンなどのアフリカ諸国を、小麦及びトウモロコシ価格の高騰の影響からある程度守っていた」と述べた。


 中国社会科学院農村発展研究所の李国祥研究員は記者に、「しかし輸出税の導入後、インドのコメ輸出の費用が増える。インドのコメ輸出量が世界の4割を占めていることから、国際市場におけるコメ価格の高騰を招く可能性がある」と述べた。


 ブルームバーグによると、インド米輸出事業者協会のB・V・クリシュナラオ会長は、「精米の輸出価格は1トンあたり400ドルを超える可能性がある。現在のオフショア価格は350ドルだ」と予想している。


 李氏は、「コメ価格の高騰は低収入で食糧の不足している国の経済的な負担を重くし、生存をより困難にする。しかし中国のコメは過剰供給で、インドのこの措置が中国のコメ供給構造に影響を及ぼすことはなく、中国のコメ価格への影響も微々たるものだ」と述べた。


 クリシュナラオ氏は、「現在輸出税が導入されている品種は、インドの非バスマティ米出荷量の約6割を占めている。この規制により、競争相手のタイとベトナムが恩恵をこうむる。両国はコメ価格を支えるため協力中だ」と述べた。


 米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」は、中国はインド産破砕米の最大の購入者で、主に動物の飼料やワイン生産などに用いていると伝えた。李氏はインドによる破砕米の輸出禁止について、「中国は多国から輸入するか、その他の食糧を飼料に用いることが完全に可能だ。インド産破砕米は代替が効く」との見方を示した。


「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年9月16日



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