米国株式市場は夏の終わりと共に不安定な下落相場を迎えそうだ。

　米国担当チーフストラテジストのエド・クリソルド氏は8月31日付のレポート「Ned Davis Research」で、「レイバーデーの長い週末が終わって米国の投資家が市場に戻った後（9月6日から10月25日まで）は、過去の傾向からS&P500指数が1年で最も弱い時期に当たる。米国の株式市場はすでにゆらゆらと揺れて今にも倒れそうな状態だ」との見解を示した。「Refinitiv Lipper（リフィニティブ・リッパー）」によると、今年8月までに米国株の投資信託やETFは平均で17.3％下落した。うち8月の平均下落率は3.5％で、米連邦準備理事会（FRB）のパウエル議長が、景気後退のリスクはあるがインフレ対策として利上げを継続すると話したことに対する株式市場の反応を反映している。

　クリーブランド地区連銀のロレッタ・メスター総裁は「インフレというモンスター」に勝利したと早期に宣言するのは間違っているとの考えを示した。同氏はデイトン商工会議所の講演で「インフレがピークに達したと結論づけるのは時期尚早だ」と話し、7月は食品とエネルギー価格を含むコア個人消費支出指数のみが低下したと指摘。FRBが基準金利を4％以上に引き上げることを支持した上で、来年の利下げはないと予想している。

　中央銀行の総裁たちがジャクソン・ホール・シンポジウムで利上げによるインフレ抑制の決意を重ねて表明したことから、金融市場の投資家は米国経済が景気後退の瀬戸際にあるのではないかと懸念している。

　パウエル議長はワイオミング州で毎年開催されるジャクソンホール会議で、FRBがインフレ抑制のために利上げを継続すれば、家計や企業が何らかの痛みに直面すると述べた。

　ジョンズ・ホプキンス大学応用経済学教授のスティーブ・ハンケ氏は、米国経済が来年「巨大な」景気後退に向かうが、それは必ずしも基準金利の引き上げが原因ではないとの見解を示した。

　米国のGDPは2四半期連続で減少し、1－3月は1.6％減、4－6 月も0.6％減となった。また、米国の失業手当申請者数が徐々に増える中、多くの企業は人員削減や採用停止を発表し、住宅市場も落ち込んでいる。

　「中国網日本語版（チャイナネット）」2022年9月24日