米国、欧州、日本、韓国など、「メイド・イン・チャイナ」の一部の主要輸出先の政治家は、中国サプライチェーンへの依存を減らそうとしている。メイド・イン・チャイナは世界産業チェーンにおける地位を固める大切な時機にある。(文=丁江剛・人民日報高級記者)
メイド・イン・チャイナには生産能力が大きいという特徴があるため、より広い外部市場とリンクする必要がある。メイド・イン・チャイナにとって、世界に進出し市場を拡大し、地位を固め、チェーンを延ばすことは、当面の戦略のカギと言える。
グローバル経済の低迷は、メイド・イン・チャイナのグローバル化のチャンスである可能性がある。洋服、ライター、雨傘、造花、自撮り棒、携帯電話、パソコンなどは世界のトップ技術を代表しないような商品だが、中国と世界の産業チェーンを密接に繋いでいる。これらの商品がなく、その裏で奮闘する中国企業がなければ、メイド・イン・チャイナのミドル・ハイエンドへの向上は原動力を失う。これらの商品の世界産業チェーンにおける地位を固め続けることこそが、さらなるアップグレードの原動力となる。
メイド・イン・チャイナは簡単に地位を獲得したわけではなく、改革開放の結果である。成果を固め、米国の封じ込めと牽制を打破するには、挫けず努力する必要がある。革新は重要な手段で、革新とグローバル化は互いに助け合い補完するものである。良い商品と先進的技術を発展させるには市場に認められる必要があるが、たやすいことではない。技術、質、価格の面で努力する時もあれば、複雑な値段交渉で得ること、国家レベルの支援が必要なこともあるため。より全面的な戦略措置が必要となる。
結局、これは我々がどのように世界の産業チェーンと市場とより密接に関わるかに左右される。コロナ化での中国の輸出の増加は、メイド・イン・チャイナの粘り強さを証明した。現在の問題は、世界がメイド・イン・チャイナを必要としないことではなく、メイド・イン・チャイナが以前より必要とされ、欠かせないものになっていることである。これは我々にとって、需要に応じた方針調整のチャンスと言える。
メイド・イン・チャイナは海外に移動しているとよく言われるが、「延伸」という表現の方がよりふさわしい。しかも、我々は延伸をより意欲的に行うべきである。
企業が工場をベトナムに移転させれば、労働力も移転し、生産チェーンが延びる。ベトナムの工場の多くの技術管理者、生産設備、原材料、部品は中国産で、多くの商品が中国製造業のためものである。ベトナムは中国の代わりになれず、今後10~20年、メイド・イン・チャイナに完全に代わる国は現れない。しかし、ベトナムのような「新しく成長してきた優秀な国」は、メイド・イン・チャイナと中国市場と密接に結びつく必要がある。メイド・イン・ベトナムとメイド・イン・チャイナは競争関係にあるが、共同発展の潜在力も大きい。東南アジア、アフリカ、ラテンアメリカの多くの国が中国と経済成長の面において、相互補完・互恵・ウィンウィンの関係にある。
メイド・イン・チャイナは平和的方法で世界進出している。このような方式により、我々は商品を売り、製造業の産業チェーンも延ばす必要がある。我々は巨大な市場と整備された工業体系、世界範囲の貿易ネットワークを有し、これらを活用してより合理的で公平な産業チェーンを構築し、米国の封じ込めを打破することができる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年12月5日