米投資銀行大手JPモルガン・チェースのエコノミストがこのほど、2023年の中国の国内総生産(GDP)成長率は約5%になるとの見通しを示した。米ブルームバーグが9日付けで報じた。
JPモルガン中国のチーフエコノミスト朱海斌氏らは8日に発表したリポートの中で、来年半ばまでに新型コロナウイルスの感染拡大による影響が薄まれば、経済成長がより重視される可能性があるとの見方を示した。
JPモルガンは現時点で成長率を4%と見積もっているが、秩序立った管理や万全の準備がされ、方向性の明確な開放が再開された場合、楽観的に見積もって5.3%というシナリオもあると指摘した。
ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想中央値は約4.8%だった。
一方、米金融大手モルガン・スタンレーは、世界第2位の経済大国が2023年半ばから新たに態勢を立て直し、関係部門が再び成長を重視する可能性があるとの見方を示した。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル電子版が8日付けで報じた。
モルガン・スタンレー中国担当チーフエコノミストの邢自強氏は、取材に対し、中国は最近、医療の対応力や重症患者の治療、ワクチン接種状況など、感染状況に関する情報の変化を伝えており、入院や重症化を防ぐことに一層力を入れていることがうかがえると指摘。これは非常に幸先の良いことだと思うと語った。
その上で邢氏は、当局が経済成長に焦点を移すと予想。特に、最近の国内不動産業界の救済計画やフィンテック分野の複数のプロジェクトが当局から承認されたことを強調した。
モルガン・スタンレーは、来年の中国経済の成長率を5.0%、2024年から2025年にかけては4%を若干上回る程度に減速すると予測。邢氏は、この程度の成長率でも十分であり、世界の成長率の約4分の1に相当すると指摘した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年12月17日