中国の半導体企業が新規株式公開(IPO)ブームの最中にある。政府が半導体産業の発展に取り組む中、多額の資金が集まっている。米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」が伝えた。
半導体や半導体製造装置を生産する企業は、12月15日までの1年間に国内IPOで約120億ドルを調達した。これは2021年の調達額のほぼ3倍だ。企また同業界の一部の企業は中国本土でさらに170億ドル相当のIPOを申請している。
米国が世界的なハイテク・サプライチェーンにおける中国の役割に異議を唱える中、、中国の半導体企業は手元資金をさらに増やす必要性が高まっている。米政府は10月、先端半導体や半導体製造装置の対中輸出を規制し、同業界の中国企業が米国人を雇用することを難しくした。アナリストによると、米国が半導体業界への規制を強化したことで、中国は先端技術で米国に追い付くために、これまで以上に自力で取り組むことになりそうだ。これは国内半導体産業の発展を促す中国政府の取り組みを加速させている。半導体業界は2021年、ベンチャーキャピタルの投資先として最も人気があった。投資家は、中国政府が優先するこの取り組みに喜んで便乗すると述べた。株式投資家も半導体業界を支援することが奨励されている。
UBSセキュリティーズのグローバルバンキング部門共同責任者を務める孫利軍氏は、中国で今年に入り半導体企業のIPOが相次いでいる根本的な理由は、米国の輸出規制によって中国の製造業者が自国により近い場所で代替品を探す必要に迫られたからだと述べた。これは中国の半導体産業が長期的に発展していくという自信を投資家に持たせたという。「米国の半導体・半導体製造装置メーカーの中国向け輸出が制限されていなかった3年前には、中国の半導体業界における勝者総取り現象は明らかだった。今はこうした規制があるため、業界のサプライチェーン全体で国内の新興企業が増えている」
半導体企業の上場増加は、中国のIPO全体の件数の微増を意味する。これは減少している中国以外の状況とは対照的だ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年12月23日