中国の工場と輸出業者が買い手を集めようと魅力の攻勢をかけている。中国の地方政府は輸出業者の代表団を集め、米国・欧州各地の貿易見本市に派遣し、感染症の影響でサプライヤーが多様化した海外の取引先に目を向けている。英紙「フィナンシャル・タイムズ」が伝えた。
本社を南昌市に置く東申針績製衣有限公司は、ディズニーなどのブランドのTシャツ、パジャマ、下着、ジーンズの製造メーカーで、訪米する江西代表団に代表者を送り込んだ。同社の胡君成(音訳)総経理は、「当社の米国の代理業者からは、昨年6月から販売量が減り、滞貨が増えているとの報告を受けた。感染拡大中は海外の取引先を訪問できず、意思疎通に影響が生じた」と述べた。
海外の買い手は中国を訪問できなかった。間欠的な操業停止、輸送費の高騰、注文の遅れ、世界の地政学的緊張の影響を受け、一部の取引先は別の国でサプライヤーを探した。「世界の工場」と呼ばれる中国の製造業は厳しい試練を迎えた。米国がサプライチェーンを中国から切り離し、先端技術の対中輸出規制を強める中、中国は海外でのセールスを開始した。
本社を浙江省東部の温州市に置く厚徳眼鏡有限公司の劉興東会長によると、同社の受注は過去3年で30%減少した。劉氏は今年2月に、現地の169社の眼鏡メーカーと共に政府チャーター機に乗りイタリアを訪れ、ミラノで開催された世界最大の眼鏡見本市「MIDO」に参加した。
一部の代表団はさらに遠い場所を模索している。中国西南部のやや貧しい地方である貴州省は2月、モスクワで開催された「ロシア国際食品展」に18の食品産業代表団を派遣した。報道によると、同省の代表団は昨年、サウジアラビアで開催された見本市に参加した。
アンドリュー・ハッパート氏は昨年メキシコで、製造業の中国からの移転を検討する企業向けにコンサルティング会社を設立した。「多くの企業は地域で多元化を実現しているが、中国はより深いレベルの生産・エコシステムを持ち、輸出業者にとって魅力的だ。これらの製造メーカーの多くが受託製造業者や大量調達代理業者などに依存しているが、これらはメキシコに存在しない」
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年3月2日