中米経済・貿易関係の「断絶は困難」=シンガポール紙

中国網日本語版  |  2023-03-11

中米経済・貿易関係の「断絶は困難」=シンガポール紙。二国間貿易は22年も増加を維持した。中国は依然として米国にとって最大の商品輸出先であり、同年の米国の対中輸出額は1530億ドルを超えた…

タグ:米中貿易 投資 輸出 多国間ルート

発信時間:2023-03-11 09:00:00 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 シンガポール紙「ザ・ストレーツ・タイムズ」(電子版)は5日、米カリフォルニア大学バークレー校APEC研究センター副センター長の張宇涵(音訳)氏による、「断絶は困難、関係緊張のエスカレートも米中の貿易・投資は増加中」と題した記事を掲載した。全文の要旨は下記の通り。

 米国は2018年以降、貿易障壁など一連の保護主義政策により中国経済の急台頭と自国の相対的な衰退に対応し、かつ過去数年の米中の大国の競争を激化させた。

 ところが両国間の貿易と投資は減少していない。この矛盾した現象についてはどう説明すべきだろうか。

 米中貿易戦争は現在も続いているが、21年の米中の貿易額はその1−5年前の平均水準を上回った。

 二国間貿易は22年も増加を維持した。中国は依然として米国にとって最大の商品輸出先であり、同年の米国の対中輸出額は1530億ドルを超えた。米中二国間貿易において最も重要な商品は、機械及び機械応用設備、化学工業、プラスチック、ゴム、皮革製品。

 トランプ及びバイデン政権が対中輸出規制を強化したことは否定できないが、米商務省産業安全安全局は中国の輸出・再輸出許可証の大半の申請を認めた。

 両国の持続的な貿易・投資関係については、両国がいずれも世界のサプライチェーンに深く根を下ろしており、短期・中期的なデカップリングがほぼ不可能であると説明できる。

 持続的な二国間投資には、米国と中国の市場がいずれも非常に大きいというもう一つの理由がある。両国の利益中心の企業には、相手国とビジネスを続ける動機がある。

 3つ目の理由は、対外投資と貿易の間に存在する双方向の因果関係だ。(米国を含む)グローバル企業は依然として中国の巨大な消費市場、世界2位の経済体の長期的な成長に期待している。

 新自由主義経済の見地に立つと、両国が自国経済の利益の最大化を願うならば、両国は二国間・多国間ルートを通じ貿易・投資を拡大する必要がある。

 二国間レベルでは、ハイレベル当局者間の交流が必要であるが、より重要になりそうなのは、影響力を持つグローバル企業が現地のコミュニティと交流することだ。

 多国間レベルでは、世界経済フォーラムやG20サミットなどが首脳に会談の場を提供する。誤解を減らし、互いの戦略的な狙いと政策の判断ミスを修正し、直接的な意思疎通ルートを構築するため重要な力を発揮する。

 例えば中国はスイスのダボスで、外国からの投資を歓迎し、かつ世界への開放を続けると表明した。これは投資家の自信を深め、経済協力をうながす可能性が高い。

 大国の競争を懸念し、米中関係を悲観する人も多いが、喜ばしいことに双方向の貿易と投資が現在も続けられている。

 双方は二国間・多国間ルートを利用しさらに協力を展開する時を迎えている。これは2つの大国だけでなく、国際社会全体にとって有利だ。

「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年3月11日

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