独自動車メーカーは中国自動車市場で見物人になろうとしている。この力強く発展する電気自動車(EV)市場で、フォルクスワーゲン(VW)のシェアは2.4%のみで、BMWやメルセデス・ベンツは1%未満だ。メルセデス・ベンツの関係者は、「中国メーカーはEV技術でリードしており、もはや追いつくことができない」と述べた。独紙「ミュンヘナー・メルクーア」が伝えた。
中国製EVの繁栄は、各社がソフトウェア統合、運転アシスト、自動運転などの分野で大きくリードしていることを示した。例えばメルセデス・ベンツは今年1月に、初めてネバダ州でレベル3の自動運転システム「ドライブパイロット」の使用許可を受けたメーカーになった。中国車はその時深セン市でレベル5の路上テストを行っていた。
BMWの広報担当者は、中国市場は競争が激しく、購入者が価格に対して非常に敏感と述べた。メルセデス・ベンツは、中国のEV、特に100万元を超えるEVはまだ、多くの改善の余地が残されている発展の初期にあると強調した。中国製EVの最大の成長は現在、30万元前後の価格帯で生じている。メルセデス・ベンツは高級EVにチャンスを見ている。
しかし中国自動車メーカーは低価格車でも、ドイツの高級メーカーにない技術を持っている。BYDの小型EV「ドルフィン」は800Vの高圧クイック充電技術を搭載している。これは中国新標準の技術になろうとしている。ドイツの競合他社で同技術を持つのはポルシェのタイカンとアウディのe-tron GTのみだ。
メルセデス・ベンツの関係者は、「独メーカーが(中国勢を)追い越せるとは思わない。購入者の習慣とニーズを考慮すると、彼らは当社を何光年もリードしている。当社は法規とフローに足を引っ張られている」と述べた。中国メーカーは購入者の要求に即座に応じる。例えば睡眠機能だが、車の座席を水平にでき、車によって空気が加熱・濾過される。中国の購入者は昼休みに車内で30分仮眠できる。既存の技術の応用ではあるが、中国に進出している独メーカーは社内の調整に数カ月かかる。
VWは新たな枠組みを作ろうとしており、その戦略を「中国で、中国のために」と呼んでいる。BMWの広報担当者は、「中国市場は当グループにとって最も力強く、より高い潜在力を感じ取っている」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年4月12日