江蘇省常熟市地方金融監督管理局と常熟市財政局はこのほど、「給与全額デジタル人民元支給の実施に関する通知」を通達した。通知は、5月より常熟市の常勤の公務員(参公人員を含む)、事業人員、各級国有資産機関人員を対象に、給与全額デジタル人民元支給を実施するとした。「上海証券報」が伝えた。
「デジタル人民元の給与を受け取るのは、どのような体験だろうか」と、多くのネットユーザーがこの情報に好奇心を示した。
「デジタル人民元での給与支給を始めてから1年になる」湖南省の亦菲さん(仮名)によると、デジタル人民元の受け取りは操作が難しくなく、デジタル人民元アプリをダウンロードするだけで良いという。
蘇州市の某事業単位で働く取材対象者は、「給与を受け取った後に手数料無料でデジタル人民元を銀行カードに現金化できる。通常通りお金を直接使用できる。また支付宝は微信で使っても良い」と述べた。
応用シーンの持続的な拡大に伴い、デジタル人民元で支給される給与の使用もより便利になっている。
例えば江蘇省揚州市の住民は、デジタル人民元ウォレットのお金で、子供の学校の給食費を直接支払える。蘇州市の一部では、ガス・水道・電気料金もデジタル人民元による支払い及び引き落としが可能だ。多くの大型公共駐車場でデジタル人民元の決済を行える。蘇州久光百貨などの多くの大型商業総合施設がデジタル人民元決済に対応している。
各地がデジタル人民元の応用に力を入れる中、デジタル人民元の消費によるメリットも増えている。
北京市の朝雨さん(仮名)は、銀行でデジタル人民元ウォレットを開設した際に、銀行から20元の消費ボーナスを受け取ったという。記者の調べによると、多くの都市がデジタル人民元ウォレットを提供し、多くの消費シーンをカバーしている。またデジタル人民元を使いショッピングモールで購入する際にも、クーポンを得られることがある。
データによると、各地のデジタル人民元ウォレット開設数は昨年末現在で100万級にのぼっており、さらに一部の地域での累計取引額が1千億元を超えている。
デジタル人民元が徐々に暮らしに浸透しているが、「また開設していない」というネットユーザーも少なくない。招聯金融の首席研究員の董希淼氏は、「電子マネーと決済ツールについては、シーンの豊富さがユーザーの選択及び使用体験に影響を及ぼすことが多い。デジタル人民元の応用シーンの構築をさらに強化するべきだ。整ったエコシステムと豊富な応用シーンにより、デジタル人民元をどこにでもある、手を伸ばせば届く存在にすることでより多くの市民と機関に使用してもらい、使用の頻度を高めユーザーの体験を改善するべきだ」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年4月25日