フロリダ州議会は最近、中国人による同州の土地及び住宅の購入を規制する措置を講じた。米中両国の地政学的な競争が激化する中、テキサス州及びその他の州も中国の投資を規制している。全体的に情勢が緊張しているが、中国の投資を受け入れるのは悪いことなのだろうか、それとも米国経済を潜在的に支えるのだろうか。米誌「フォーブス」(電子版)が伝えた。

　米国のビジネス界と政界のリーダーは今月1日、米国中国総商会の会議に出席した。彼らは一定条件が満たされれば、中国の投資は米国に経済的な利益をもたらすとの見方を示した。会議で発言した米中貿易全国委員会のクレイグ・アレン会長は、「中国の対米投資を歓迎するべきだ」と述べた。同委員会の会員企業には、280社超の米グローバル企業が含まれる。

　「米国を選択」プロジェクトのビジネス当局者)は、「米国経済の投資及び雇用拡大について、中国企業の米国子会社は重要な力を発揮している」と述べた。同プロジェクトは米商務省が海外からの投資を呼び込むため打ち出したものだ。米商務省による年間イベント「米国を選択」投資サミットの前日、中国の在米企業を代表する米国中国総商会は「米国を選択」投資サミットレセプションを開いた。出席した米当局者のうち、米商務省の副長官も、中国の対米投資のメリットを挙げた。「中国系企業の米国での設備投資額は530億ドルにのぼる。これは米国の対中投資の半分にも満たないが、米国で11万9000人分の雇用枠を直接創出した」

　政治・ビジネス界の関係者は、米中関係の緊張情勢を背景とし会議に出席した。両国間のデカップリングの犠牲は高くつきそうだ。国際通貨基金(IMF)は今年発表した報告書の中で、限定的なグローバルデカップリングでも世界のGDPを7%減らす可能性があると予想した。アレン氏は、「より多くの中国からの投資、特にそれが中国からの輸入の代わりになる場合、米国各地の州知事及び市長から歓迎されるべきだ。私たちはデカップリングするべきではなく、相互に貿易往来と投資を行うべきだ。貿易パートナーの投資は、米国の貿易赤字及び摩擦を減らす一助となる。経済的に見ると、外国直接投資は貿易赤字を解消する合理的な手段だ」と述べた。アレン氏は出席者に、「米国企業が中国でやっているように、中国企業が現地に根ざし、米国でブランド、専門知識、技術を捧げることを歓迎する」と述べた。

　米国中国商会が1日に発表した調査結果によると、二国間関係が緊張しているが、中国企業は対米投資に興味を持ち続けている。中国企業の約94%が、今年の対米固定資産投資を増やすか前年と同規模にすると回答した。

「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年5月8日