中国の関連部門は3日に公告を発表し、8月1日より基幹金属「ガリウム」及び「ゲルマニウム」の輸出を規制すると発表した。この一般的にあまり知られていない2種の金属にはどのような用途があるのだろうか。
4日付米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」によると、米国地質調査所は今年発表したガリウム関連の報告書の中で、半導体などのハイテク分野及び軍需産業の応用シーンにおいて、現時点ではヒ化ガリウムの効果的な代替品が存在しないとした。米軍は窒化ガリウムの特性に基づき最先端のレーダーを開発する。窒化ガリウムはさらにミサイル防衛システム「パトリオット」の製造にも用いられる。窒化ガリウムを使用する半導体の昨年の世界販売額は24億7000万ドルで、2030年には193億ドルにのぼる見込みだ。ヒ化ガリウムを使用する半導体の販売額は30年に、昨年の14億ドルから34億ドルに増えると見られる。
ゲルマニウムは主に赤外線光学、光通信、ソーラーバッテリー、触媒などの業界で用いられる。軍需産業、国防、ハイテクなどの分野の重要原材料だ。世界的に資源が乏しく、多くの国から戦略的備蓄物資とされる重要な戦略的資源だ。
ロイター通信の報道によると、米半導体基板製造メーカーのAXTは、その中国子会社が間もなくガリウム及びゲルマニウムの輸出許可の申請に着手すると発表した。ある中国ゲルマニウム生産業者によると、輸出規制発表後に米国・日本・欧州のバイヤーから問い合わせが殺到し、売値も一夜にして急騰したという。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年7月5日