中国4大銀行はこのほど、今年の上半期の業績を発表した。
中国工商銀行の上半期の純利益は前年同期比1.1%増の1747億元で、中国建設銀行は3.12%増の1672億9500万元、中国農業銀行は3.5%増の1332億3400万元。中国銀行の株主の税引き後利益は0.78%増の1200億9500万元。4大銀行の上半期の純利益は合計で約5953億元で、1日平均で33億元弱にのぼった。
中国の安定成長を支える重要な力として、4大銀行は上半期に信用貸付の提供を持続的に拡大した。中国銀行を例とすると、域内の人民元建て貸付は前年末より1兆4600億元増加し、同期としては過去最大の増加となった。
製造業や戦略的新興産業などが重点的に保護されている。中国工商銀行の張文武副総裁によると、同行の6月末現在の製造業に対する貸付残高は3兆6000億元を超え、全行の貸付の平均水準を大きく上回る増加となった。貸付の新規増加は、次世代情報技術産業、新エネ車、ハイエンド設備などの製造強国戦略的重点分野に集中した。
注目を集めている資産の質について、4大銀行は全体的に安定を維持し、不良債権比率がいずれも前年末もしくは年初より低下した。中国建設銀行の王兵副総裁は下半期を展望し、「資産の質は実体経済発展と緊密に関わり、銀行自身のリスク管理能力とも密接不可分だ」との見方を示した。
銀行業は現在利ざや縮小の挑戦に直面しているが、住宅ローンの金利引下げは銀行の収益力にさらに影響を及ぼすだろうか。中国建設銀行の生柳栄CFO(最高財務責任者)は、これは銀行の今後の純金利マージン水準に一定の影響を及ぼすと述べた。「商業銀行が一定の利益と純金利マージン水準を保つことは、実体経済の持続可能性への支持の強化を促す。当行は資産負債構造を最適化し、リテールバンキングを発展させる。負債経営能力を高め、負債コストをコントロールする。また貸付価格設定管理を強化する。これらの措置により純金利マージンの下げ幅を効果的に抑える」
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年9月3日