台風9号と11号の影響を受け、福建省沿岸部で連日強風が吹き荒れている。三峡集団福建地域洋上風力発電所の1日の最大風速は23.56メートル毎秒にのぼった。同発電所に設置されている世界初の16MW洋上風力発電機は「フリーズ」しなかったばかりか、24時間連続でフル稼働した。1日の発電量は38万4100kWhにのぼり、世界記録を塗り替えた。
三峡集団気象イノベーションチームの責任者である李矜霄氏は、「台風が三峡集団福建地域洋上風力発電所を通過した際に、新たに研究開発された気象スマート応用総合プラットフォームが役に立った。気象チームはこのプラットフォームにより、台風の発生、移動、強度などの要素のマルチ時空スケールの詳細なシミュレーション、早期警戒、予測を行った。これにより発電・送電効率を最適化し、洋上風力発電所の過酷な気象状況における気象資源利用効率を高めた」と述べた。
台風の通過時には風速が絶えず変化するため、発電機の稼働方法も適時調整する必要がある。三峡集団風資源評価チームの責任者である文仁強氏によると、運用保守人員は台風が来る前に遠隔台風対策シミュレーション、発電機停電切替予備電源などの一連のテストを行い、台風との戦いに向け十分に準備を整える。発電機が順調に台風を乗り切れるようにするため、運用保守人員は台風通過時に北斗通信技術を利用し、陸上の制御センターから信号を出し運転モードをスマートに切り替え、16MW洋上風力発電機の給電方法及び発電機の方向を調節する。台風通過時の発電機へのリスクを回避すると同時に、風力を持続的にクリーン電力に変換する。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年9月9日