自動運転システム搭載の新エネ車「問界新M7」の発売から25日で、5万台を超える注文が入ったことが大きな話題になっている。国産新エネ車が中国人消費者の間で支持を広げている。同時に多くの商業データも、衣料品、コスメ、携帯電話、自動車などの衣食住の各方面で中国人消費者、特に若い消費者が国産ブランドをターゲットにしていることを示した。
中国の若者が国産品に注目する理由は、中国人消費者が自信を深めているからだとの見方がある。またその裏側には愛国などの民族的な感情があるとの説もある。これらの分析には頷ける点もあるが、次の最も根本的な要因を見落としている。それは、中国製の技術、品質、ブランドが共に台頭する中、中国企業が消費者からより歓迎される製品を生産したということだ。消費という行為は本質的に理性的な決定だ。一部の消費者は衝動的に盲目的に消費するが、消費者という集団は自身の利益を最大化するものだ。国産品が日増しに脚光を浴びていることは、市場の法則の結果だ。
中国の製造業はこの10年で新たな段階を迎えた。産業集積の強みを利用し、中国の製造業は規模で世界一をキープした。同時に国産品は品質管理、ブランドマーケティング、中核技術の把握で絶えず質的変化を手にした。中国企業は中国人消費者の好みをより理解する。さらに中国の若い世代の消費者は中国製品へのステレオタイプな印象をほとんど持たず、中国地場ブランドをより自然に受け入れる。消費者である我々は、中国の発展の飛躍がもたらした変化を自ら体験している。
今や中国企業の広告と製品発表会の見栄えが良くなり、オンラインのマーケティング戦略も創意あふれるものとなっている。中国ブランドの「泥臭さ」が減り、しばしば消費ブームをけん引している。
中核技術の漸次的な把握はより重要な変化だ。科学技術の研究開発に資金を費やそうとする企業は往々にしてより高い競争力を持ち、産業チェーンの発展方向をより主導でき、かつ消費者からより注目される独特な製品を生産できる。国産半導体及びOSで進展を続けるファーウェイ、新エネバッテリー及び自動車生産でリードするBYDなどの企業は、その最も顕著なケースだ。
中国市場は巨大で、国産品もますます力をつけており、無限の可能性を秘めている。しかしこの過程において、中国企業は冷静さを保つ必要がある。消費者は感情的に国産品に傾くかもしれないが、国産品を盲目的に求めない理性を持っている。先ほどの「花西子事件」は、国産品というステータスは誇らしいが万能の盾では決してないことを十分に説明した。中国ブランドは今後、より激しい国内外の競争に直面する。そのためより革新性を高めると同時にさらに世界に目を向け、中国の製造業の成長と中国人の暮らしの質の向上を新たな段階に押し上げるべきだ。(筆者=崔伝剛 財政・経済コラムニスト)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年10月17日