「ダブル11」(11月11日のネット通販イベント)は2009年に始まり、今年で15年目だ。天猫や京東を始めとするECサイトが今年発表したダブル11の業績によると、受注量と成約総額がいずれも増加し、新たな消費のトレンドが顕在化している。
トレンドその一 「価格力」がECの焦点に
例年と比べると、今年のダブル11は素直な買い物の論理に立ち返り、価格競争が中心的な目標となった。天猫や京東を始めとする大手ECプラットフォームは複雑で面倒な販促手段を放棄し、続々と「最低価格」を強調することで、消費者を直接引きつけようとした。
浙江大学国際連合商学院デジタル経済・金融イノベーション研究センター連席主任の盤和林氏は、「EC業界の競争の中心的な焦点は常にコストパフォーマンスだ。特にセール中の場合、価格は常に消費者の積極的な参加を最も集められる動力源だ。ECは消費者がシンプルに参加できるようにし、直接の補助を拡大することでスムーズに注文できるようにした」と分析した。
トレンドその二 国産品が台頭、新世代が主力に
「高級ブランドを買えないのではなく、国産品のほうがコスパがいい」今年のダブル11では、国産ブランドが各大手プラットフォームで好評を博した。
国際的なコンサルティング企業のアリックスパートナーズが発表した「ダブル11年間調査研究報告書2023」によると、消費者の66%が「中国ブランドの消費の増加を検討」と回答した。中国地場ブランドへのロイヤリティが徐々に上がっている。
トレンドその三 ライブ配信環境が多元的に
11月11日0時までに、タオバオの売上が1億元を突破したライブ配信スタジオは58にのぼった。うち李佳琦を始めとする馴染みの人気配信者が依然として好調で、東方甄選や羅永浩などの新勢力はタオバオに進出後、すぐに1億元クラブの仲間入りを果たした。
従来の有名人によるライブ配信と異なり、京東は今年のダブル11で「調達・販売ライブ配信」モデルを作った。「脚本なし、リハーサルなし、カンペなし」で消費者に商品を直接PRし、3億8000万人の視聴を集めた。
今年のダブル11では、タオバオの家電、ジュエリー、スポーツ・アウトドア、家庭用品、服飾品、食品などの業界のライブ配信の業績が好調だった。阿里媽媽のデータによると、タオバオと天猫の業者はライブ配信により、平均水準の7−11倍のビジネスをもたらした。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年11月13日