世界のエネルギー転換は今、重大な局面を迎えており、排出削減と安全保障、効率性と公平性、緩和と適応という三つの矛盾が複雑に絡み合っている。国連気候変動枠組条約第28回締約国会議(COP28)が先月30日から今月12日まで、アラブ首長国連邦のドバイで開催され、エネルギー転換がその中心議題の一つに取り上げられた。
一部の海外メディアはこのほど、COP28で合意した「2030年までに世界の再生可能エネルギー設備容量を3倍にする」という目標について、「中国はこの目標を達成することが真に期待されている唯一の大国だ」と報じた。今年上半期時点で、中国の再生可能エネルギー発電の設備容量は13億2200万キロワットに達し、石炭火力発電を上回り、この10年で約3倍になった。
大手会計事務所KPMG中国気候変動・持続可能な発展マネージングパートナーの沈瑩氏は、COP28の会期中に中国新聞社の独占取材に応じ、次のように答えた。
「中国は、2030年までに炭素排出量をピークアウトさせ、2060年までにカーボンニュートラル(炭素中立)を実現するという「双碳(ダブルカーボン)」目標を掲げている。これを実現することは、中国が世界最高のCO2排出原単位の低減率を達成し、史上最短時間でカーボンピークアウトからカーボンニュートラルに移行することを意味するもので、世界の脱炭素化を強力に推し進めることになる。中国は大国としての役割を果たし、実際の行動で多国間主義を実践している」
KPMG中国が発表した「世界エネルギー統計年鑑2023」によると、中国は2022年に世界の太陽光発電と風力発電の急拡大をけん引し、昨年時点で世界の新規設備容量のそれぞれ37%、41%を占めた。中国は世界最大の再生可能エネルギー市場と設備製造国でもあり、世界の太陽光発電市場に全体の70%以上のモジュールを供給している。
沈氏は、中国が進める再生可能エネルギーの大規模化は世界の手本となっており、各国のエネルギー転換をけん引する上で重要な役割を担っていると指摘した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年12月16日