相次ぐ消費券の配布、賑わうエンターテイメントショー、重要プロジェクトに積極参入する民間資本――2023年は内需が着実な成長を遂げ、主な原動力を担った一年だった。また、消費の寄与率が持続的に上昇し、投資構造も持続的に改善した年でもあった。人々の消費基盤が徐々に固まり、内需政策が次々と打ち出され、超大規模市場の潜在力が一段と喚起された。
■消費の規模が拡大し、競い合うように活性化
今年に入ってから観光産業の回復が加速し、観光消費が増加し続けている。中国国家統計局のデータによると、2023年第1-3四半期の国内観光客数はのべ36億7千万人、観光収入は3兆7千億元に達した。前年同期比での伸び率はそれぞれ75%と114%に上り、旅行者数が大幅に増えるとともに観光消費も大幅に拡大した。
観光業の盛況ぶりは、内需主導による成長を1つの側面から照らした「映し絵」にすぎない。今年は、新たな消費の原動力が成長を加速させた――。
新エネルギー車の消費が加速度を増した。中国乗用車市場信息聯席会(CPCA)のデータによると、11月の新エネ乗用車普及率は初めて40%を超え、1-11月の小売販売台数は前年比35.2%増の680万9千台に達した。
飲食などのサービス消費はハイペースな成長が続いている。11月の全国飲食業収入は前年比25.8%増、映画興行収入は前年のほぼ3倍に、サービス消費全体の伸びは累計約20%と、2カ月連続で成長が加速した。
ネット消費など新業態の占める割合が増えている。1-11月のネット通販売上高が消費総額に占める比率は27.5%に上り、ネット通販消費の成長が明らかになった。
今年は消費の活力が浮き彫りとなり、規模拡大が続いた。1-11月の社会消費財小売総額は前年同期比7.2%増の42兆8千億元に達し、世界第2位の消費大国の地位を確固たるものとした。
「今年は内需が重要な役割を果たした。第1-3四半期の経済成長に対する内需の寄与率は113%に上昇し、輸出入の減少による外需低迷の影響を軽減した」と、中国国際経済交流センター副理事長の寧吉喆氏は語った。
■消費の質的向上 内需構造が持続的に改善
投資構造が持続的に改善し、ハイテク産業への投資が加速している。1-11月のハイテク産業投資は前年同期比10.5%増加し、伸び率は固定資産投資全体の伸びを7.6ポイント上回った。
消費構造の最適化が進み、サービス消費の割合が拡大している。1-11月のサービス小売売上高は前年同期比19.5%増と、2カ月連続で伸びが加速した。中でも、エンターテインメント・情報・医療の需要は大きく増加している。
内需がエンジンとしての役割を着実に果たし、消費が成長の第1の原動力となっている。第1-3四半期では、最終消費支出の経済成長への寄与度が83.2%に上り、GDP成長率を4.4ポイント押し上げ、総資本形成を2.8ポイント上回った。
国務院発展研究センター市場経済研究院研究員の陳麗芬氏は、「中国は消費主導の内需発展パターンが基本的に形成されており、消費の経済成長を促進する役割は日増しに高まっているため、イノベーション主導の発展の内的原動力は明らかに強くなった。今後、中国の超大規模市場としての優位性はさらに明らかになる見通しだ」との見方を示した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年12月24日