世界の大半の地域の海外旅行が2023年にほぼコロナ前の水準に回復したが、観光経済の一部である中国人客が依然として不在だ。中国人客が海外ではなく国内旅行に転じる中、人々が期待している反転上昇は今のところ生じていない。米誌「フォーチュン」(電子版)が6日、伝えた。
中国の海外旅行者数は2023年に急増したが、コロナ前の水準を下回った。19年は1億5500万人で、23年上半期は約4000万人だった。通年ではさらに大きな数になるが、依然としてコロナ前を下回る可能性が高い。
HSBCのアジア太平洋交通の研究担当者は、「世界に目を向けると、唯一不在であるのは中国人の海外旅行だろう」と述べた。
シンガポールのオーチャードロード・ビジネス・アソシエーションの責任者は、中国人客の回帰は緩慢だと述べた。アナリストはさらに、フライト数が限定的でコロナ後のビザ発給手続きが遅れていることが、海外旅行の回復が遅れている一部の原因と指摘した。
英エコノミスト・インテリジェンス・ユニットの中国研究専門家の張穎氏(音訳)は、「消費ムードが回復中」で、24年の海外旅行を盛り上げる可能性があるとした。携程旅行網のデータによると、元旦連休中に日本、タイ、韓国、マレーシア、シンガポールなどのアジア諸国が、中国人客の人気目的地ランキングで上位を占めた。中国の航空監督管理機関はこのほど、24年末までに国際線旅客便数が毎週6000便にのぼり、コロナ前の約80%になるとした。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年1月11日