ドローンが高層ビルの間を飛んで出前を配達する、朝夕の渋滞時に「空中タクシー」で空港に向かう、登山中に危険な状況になりドローンが投下した物資を受け取る。かつてSF映画に登場したシーンが現実になりつつある。新型の飛行機は旅行、物流、緊急救援に応用され、低空経済は世界がしのぎを削る戦略的新興産業になっている。
2021年2月、中国共産党中央と国務院は『国家総合立体交通網計画綱要』を発行し、「交通輸送プラットフォーム経済、ターミナル経済、ルート経済、低空経済の発展、「低空経済」概念を初めて国家計画に盛り込むことを打ち出した。2023年12月、中央経済作業会議は、「バイオマニュファクチュアリング、商用宇宙、低空経済などの戦略的新興産業の形成」を打ち出した。これらの政策は業界の発展に明確で幅広い市場の先行きを提供し、関連企業に良好な生産・経営環境を与えた。
多くの省がこれまでにアーバン・エア・モビリティ(UAM)、空飛ぶクルマ(Advanced Air Mobility AAM )、電動垂直離着陸機(EVTOL)などの新たな応用シーンを次々と開拓し、航空機と各種産業の融合は急速に進んでいる。例えば、ドローンや低空航行などの分野の企業・高校と科学研究機構間の連携と市場応用は先行優位を有し、深圳市は低空経済産業に力を入れている。
中商産業研究院の統計によると、2022年末時点で、ゼネラル・アビエーション経営許可証を取得した航空会社は661社で、前年末より62社増加。業界全体のドローン登録数は95万8000機で、中国民間ドローンの市場規模は1196億元に達し、前年比37.63%増加した。粤港澳大湾区デジタル経済研究院が発表した白書は、2025年までに、低空経済の国民経済への貢献規模は3兆元から5兆元になると予想した。
低空経済の発展は中国にとって重大な意味を持つ。まず、ゼネラル・アビエーション産業の発展に伴い、低空経済は新たな成長点になる。ゼネラル・アビエーション産業は産業チェーンが長い、付加価値が高い、牽引力が大きいなどの特徴を有し、伝統の製造業にモデル転換とアップグレードのチャンスを与え、新興産業の台頭を促す。次に、低空経済は地域の協調発展を促進する。一部の僻地または経済未発達地域においては、低空経済の発展は資源優位性から経済優位性への転換、地域の経済力の向上を後押しする。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年3月3日