EU・アジアセンター副センター長で欧州委員会元交通輸送専門員のバイオレッタ・ブラッツ氏はこのほど、サライェヴォで新華社の独占インタビューを受けた際、EUが中国から輸入する電気自動車に追加関税を課せば、最終的に欧州自動車産業が逆に影響を受けることになるとの見解を示した。
欧州委員会は12日に声明を発表し、7月4日から、中国から輸入する電気自動車に暫定的に関税を上乗せするとした。税率は17.4%から38.1%になる。2023年10月、EUは中国の電気自動車に対する反補助金調査を実施した。この調査は、EUの産業から申し立てがない中で欧州委員会が自主的に実施したもので、EUの貿易救済の実戦では非常に珍しいケースとなった。
ブラッツ氏は以下のように述べた。EU諸国と中国の自動車産業は深く融合しており、欧州と中国の貿易関係を断つことは不可能で、全くメリットがない。中国の新エネルギー車技術は急速に発展し、EUは中国との間に貿易の壁をつくるのではなく、協力しすべきである。中国から輸入する電気自動車に追加関税を課せば、外部の欧州への投資は減少し、欧州の自動車産業と交通産業の革新と発展を妨げ、欧州のグリーン転換にも不利益である。
ブラッツ氏は中国製の電気自動車に試乗し、高く評価した。彼女は、中国の電気自動車が欧州市場で競争力を維持しているのは、ユーザーのニーズを十分に考えているためだとの見解を示した。
ブラッツ氏は、「グリーン転換を進めるには世界が連携し努力する必要があり、欧州と中国は世界のグリーン転換で重要な役目を果たすべきである。各国は対抗を強めるのではなく、相互信頼を深め、協力を促進する必要がある」と話した。
本部をブリュッセルに置くEU・アジアセンターは独立の非営利団体で、欧州とアジアの関係促進、部門と学科を超えた専門家、機関。組織の交流の促進を目的としている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年6月16日