米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」(電子版)は12日、「中国の輸出マシンは、西側抜きで動き続けられるか?」と題した記事を掲載した。要旨は下記の通り。
中国の輸出は依然として好調だ。それが西側諸国との緊張を生み、中国製の電気自動車(EV)に対する関税の新たな波を招いている。これは同時に世界貿易を塗り替えている。
中国政府にとっての問題は、発展途上国に軸足を移すことで、輸出マシンを稼働させ続けられるかという点にある。
先週発表された最新の中国貿易統計は多くのことを物語っていた。5月の輸出はドル建てで前年同月比7.6%増。最近の力強い成長は、製造メーカーが潜在的な貿易規制の前に行動に出たためだろう。しかし全体的に見ると、中国の西側への輸出が減少し、東南アジア及びラテンアメリカへの輸出が増えている。これは中国企業が貿易ルートをベトナムもしくはメキシコなどの国に変更しているからだろう。これらの国もローエンド製造業を発展させており、中国がバリューチェーンの川上に移動している。中国も新たな市場を模索している。
しかしより重要なことは、中国が販売している製品の品種が以前と異なることだ。モルガン・スタンレーのデータによると、EV、バッテリー、ソーラーパネル、成熟した半導体を含む新たなニッチ市場は昨年、中国の輸出総額の8.5%を占めた(5年前は4.5%)。
これらの輸出品は欧州や米国で強い反発を受けているが、割安な中国製品は多くの低所得国で好評を博すだろう。ブラジル全国自動車製造業者協会のデータによると、ブラジルでは2023年にEVとHVの販売台数がほぼ倍増した。中国のBYDはEV販売台数の過半数を占め、中国自動車メーカーもHV販売台数の上位に名を連ねている。
東南アジアは現在、中国の重要な輸出先で、成長の高い潜在力を秘めている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年6月17日