ドイツのビジネス誌『WirtschaftsWoche』電子版は7月11日、「欧州は電池での独立実現を望むが、失敗の恐れあり」という見出しの記事を掲載した。以下はその抜粋。
Northvolt社は2018年にスウェーデン北部のシェレフテオでNorthvolt1号工場の建設を開始した。欧州で数十年で最も意気込みに溢れた工業プロジェクトは、ここから欧州を席巻する計画だった。この電池スタートアップ企業は政界の強力な支持を獲得し、海外供給業者の長年にわたるリチウム電池分野での独占状況を打破することを目的としている。
着工から6年が経つが、このプロジェクトはまだ完成していない。1号工場の入り口には警備員が立っているが、工場の入り口というより、建設現場の入り口という方がふさわしい。経営陣らは、まだ移動式コンテナの中で作業している。工場の各所の調整と修正を行い、まだ初期段階に見える。
工業界と政界は、Northvolt社は自己評価が高すぎると感じている。1号工場の難題直面に関する情報は増えている。BMWは6月末、Northvolt社への巨大発注を取り消した。この電池業の新入りには廃棄率が高すぎるという問題を解決できず、量産を実現できるまでかなりの時間を要すると判断したためである。
量産実現にNorthvolt社は頭を抱えている。市場が冷ややかになり、泣き面に蜂状態となった。ドイツやイタリアなどの重要な欧州市場で、電気自動車の需要が停滞状態に陥り、ドイツの一部の計画されていた電池工場建設プロジェクトも中止の可能性が出てきた。
自動車企業の経営者と投資者は、これは一時的な現象なのか、それとも欧州は自身の電池産業を持つ夢を断念せざるを得ないことを意味するのかを知りたがっている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年7月21日