【新華社パリ7月26日】パリ五輪の卓球競技が27日から始まる。試合会場の「パリ南アリーナ4」は建物こそフランス建築だが、卓球台や試合球、フロアマットはいずれも「メード・イン・チャイナ」となっている。
▽「色が変わる」レインボー卓球台
中国の卓球用品メーカー、上海紅双喜は2000年のシドニー大会以降、7大会連続で五輪の卓球台を提供している。
楼世和(ろう・せいわ)総経理は「パリ大会の卓球台は科学技術とロマンの融合といえる」と指摘。同社が1年半かけて準備した「色が変わる」レインボー卓球台は、天板の加工技術を改良したほか、摩擦と弾性も最適な状態に調整している。
卓球台の配色は、黒を基調に組織委員会の要望に応じて薄紫色の要素を加えた。ロゴデザインは「PARIS 2024」と五輪マークに初めて浮き彫りを採用し、芸術の都パリの雰囲気を強調。選手のけがを防ぐため立体ロゴの角は丸く滑らかに処理してある。
台座も注目点の一つで、可変照明システムを採用。スマートフォンやリモコンによる遠隔操作で照明をコントロールでき、虹の7色を表現できる。楼氏は「観客は素晴らしい観戦体験ができる」と語った。
▽15項目の検査をクリアした試合球
パリ大会の卓球試合球「Double Fish PAR40+」は、高品質のABS素材を使用し、真円に近く、より優れた回転性能を持つ。プロ大会基準のシームレスボールで重心バランスが良く、打球もより正確になる。
製造したのはスポーツ用品メーカーの広州双魚体育用品集団。2008年の北京五輪以来、16年ぶりに公式試合球を提供する。李玉珊(り・ぎょくさん)賽事総監は「今回は15の検査項目があったが、PAR40+は高品質の素材、優れた回転性能、小数点第2位の精度の高さにより国際卓球連盟の承認を得た」と説明した。
同社は試合球以外にもパリ大会にサプライズを用意した。李氏は、試合中の強烈なスマッシュで球がコートの外に出た場合、これまでは審判が新たな球を手渡していたが、パリ大会では新たな補助機器「審判発球器」が代行すると紹介。「これもわが社の製品で、五輪の舞台で初披露され、審判の新たな助手となる」と話した。
▽中国製のフロアマット
フロアマットは河北省石家荘市のスポーツコートメーカー、河北英利奥体育用品が製造した。同社は組織委員会の要望を受けて会場のフロアマットを改良。研究開発部の責任者、劉佳佳(りゅう・かか)氏は「カラーリングは東京大会を踏襲し、リサイクル可能なゴム素材を使用した」と説明した。グリーン、低炭素、リサイクル性、環境配慮の利点があり、組織委員会が会場建設で掲げる炭素排出削減、環境保護、リサイクルの高い基準を満たしたという。
「新華網日本語版」2024年7月28日