中国に進出している日系企業の団体である中国日本商会が30日、北京で、会員企業を対象に四半期ごとに実施している「景況および事業環境に関するアンケート」の最新の結果を発表しました。在中国日本商会会員企業の今年第2四半期の業況や景況認識などは、中国全体では1~3月期に比べて「改善」の傾向が見られたということです。
中国日本商会の本間哲朗会長は記者会見に寄せたビデオメッセージで、「在中国の日本企業の発展を通じて、中国経済に貢献していく」との考えを示した上で、「販売価格の引下げ競争が激しく、採算性が見えない」などと中国経済の先行きを懸念し、引き続き適切な経済対応を求めたいという声もあることに言及しました。
なお、同調査によりますと、事業環境に対する満足度については、「非常に満足」「満足」との回答が58%で、4回連続で改善しています。「国内企業よりも優遇されている」および「国内企業と同等に扱われている」は80%で、4回連続で高い割合となっています。一方、「規制執行」「政府の財政支援/補助金(研究開発支援、投入コストなど)」「税関手続き」などの面では、内国民待遇のさらなる向上を求める声が確認されました。
また、2024年の対中投資については、「増加させる」または「維持する」の回答が55%と半分以上で前回調査と同様の結果となっており、投資意欲は維持されているということです。中国日本商会の宮下正己副会長・企画委員長はこれについて、「日本企業は引き続き中国を重要な市場として捉えている」という見方を示しました。
「会員企業景気・事業環境認識アンケート」は中国日本商会が2023年9月に、四半期ごとの調査として実施し始めたもので、今回の結果発表は4回目となります。今回の調査は会員企業約8000社を対象に2024年7月16日~31日にかけて実施され、回収した有効回答数は過去最高の1760件でした。(記事:王小燕、校正:坂下)
「中国国際放送局日本語版」2024年8月31日