FRBの0.5ポイント利下げの決定は一部の市場関係者にとって想定外だった。今回の利下げが米国経済を刺激し、経済のハードランディングを回避するかについて、市場の態度は一致しない。アナリストは、短期間内に米国経済の「高物価、高金利、高赤字、高負債」という構造的な循環を効果的に解消するのは容易でないとの見方を示した。
利下げ後もドル相場は比較的高い水準で、米国の金融リスクは解消されていない。米プリンシパル・アセット・マネジメントは報告書の中で、「過去のデータによると、01年と07年の利下げ期間中、FRBの金融政策は景気後退を阻止できなかった」とした。利下げは万能ではなく、特に経済がすでに構造的な問題に直面している時期なら尚更だ。
市場アナリストは、マクロレベルで見ると米国経済の原動力は弱まっているとした。新型コロナ後、米国の財政刺激効果が徐々に薄れ、さらに持続的な高金利が重なり需要に大きな抑制効果を生んだ。経済データを見ると、物価高は落ち着いているが、労働市場の疲弊を含む景気低迷リスクが徐々に顕在化している。消費者の支出とより広範な経済活動が冷え込み、不動産市場の低迷が特に顕著だ。
またFRBが短期間内に巨額の赤字と債務を解消できないことで、米国の経済成長に長期的なリスクをもたらす。米連邦政府の債務残高は現在35兆ドルを超えている。財政赤字と債務規模が膨らみ、米国経済は重い負担に耐えられなくなっている。米ピーター・G・ピーターソン財団は、「米国の財政は持続不可能なレール上にある。問題を解決しなければ、連邦政府の支出と収入の構造的なミスマッチと金利及び借入コストの上昇は、連邦予算及び米国経済の未来の発展の挑戦になる」とした。
ブルームバーグは、政策決定者と米国経済にとって、未来の道は依然として非常に不確実との見方を示した。多くの投資家と一部の経済学者は、FRBの行動が時すでに遅しで、労働市場と経済成長が危険にさらされ、金融市場の変動が激化することを懸念している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年9月20日