第90回パリモーターショーが10月14−20日に開催される。これは世界の自動車産業の風向きを観察する窓だ。EUが高額の反補助金関税を掲げているが、BYD、紅旗、零跑などの多くの中国自動車メーカーは新製品と新技術を持ち、パリモーターショーに積極的に出展する。これは対照的で、興味深いことだ。保護主義が中国自動車メーカーによる欧州市場開拓の決意を揺るがしておらず、世界の自動車産業の共同イノベーションへの追求を妨げられないことが分かる。
この世界の自動車産業による「イノベーション競争」において、欧米は中国からの競争に過度に反応している。パリモーターショーは「イノベーション」を強調するが、これはフランスを含む各国が自動車産業高度化の良策を全力で研究しているということだ。また自国の市場をしっかり守り、自国の自動車産業の強みを維持するためには、根本的には自身の技術進歩が必要であることを各国が理解しているということだ。イノベーションは封鎖ではなく、競争と協力により原動力を注ぐ必要がある。実際に中国の自動車産業の進歩は外国ブランドとの開放的な競争と協力によって徐々に実現された。パリモーターショーの中国企業への開放的な態度は少なくとも、交流と協力が技術イノベーションを促すことが、国際自動車産業界における共通認識になったことを説明している。ましてや世界の排出削減目標の達成には、各国が協力しグリーン産業を大きく成長させる必要があるのだからなおさらだ。
欧州委員会の中国製EV(電気自動車)への追加関税の提案は、産業発展のロジックや欧州市場の現実に背いている。EUの関税措置が中国自動車メーカーに挑戦をもたらすことは不可避だが、これは技術イノベーションとブランド構築をより重視し、さらに高品質な製品とサービスで国際市場から認められるよう中国自動車メーカーを刺激する。また欧州自動車メーカーはモデル転換の挑戦に直面しているが、追加関税は自動車部品輸入のコスト増を招き、サプライチェーンの危機を人為的に引き起こし、欧州に技術イノベーションのチャンスを失わせる。EUは自動車製造業の発展戦略の見直しを強いられる。自動車産業の共同イノベーションの内部からの旺盛な需要を前にして、保護貿易の壁は生命力を持たないのだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年10月14日