春節を前にし、中国の人工知能(AI)企業の深度求索(DeepSeek)はオープンソースモデル「DeepSeek-R1」をリリースした。低コストで米国のOpenAIが開発したモデル「GPT-o1」の性能に肉薄した。DeepSeekはわずか数日で、中国と米国のApp Store無料ランキングでトップになった。アマゾンやマイクロソフトを含むテック大手もDeepSeekの導入を発表した。英紙「ガーディアン」は、「米国による先端テクノロジー製品の禁輸を受けながらイノベーションに取り組む中国企業は、DeepSeekの1社に留まらない」と伝えた。
ロイター通信は3日、「DeepSeekの登場はAIの構造を変えている。企業は極めて低いコストでこの技術を使用できる。またその他のAI企業のモデル改良と値下げを促す可能性がある」と伝えた。米バーンスタイン・リサーチのアナリストは、DeepSeekの価格はOpenAIの同類モデルの40分の1から20分の1と見積もっている。デンマークEmpatik AI社のウルリックCEOは、「DeepSeekは当社のような企業にとって大きなチャンスだ。これは当社のビジョンを叶えるため巨額の予算を必要としないことを意味する」と述べた。
「これは、常に大きいことは良いこととは限らないという警鐘だ」オランダAIスタートアップ企業Axelera AIのCEOであるFabrizio Del Maffeo氏はロイター通信に、「モデルを誰でも容易に使えるようにし、全体的な所有コストを下げ、革新的な技術を作るための壁を減らすことで、業界全体の触媒になることができる」と述べた。英AI企業NetMind.AIのCBOは、「これはAIの民主化と、大手テック企業の公平な競争の重大な進歩を示すものだ」と述べた。
香港紙「南華早報」は業界関係者の話として、「DeepSeekの登場は中国の研究者とテック企業の士気を高め、また中国のイノベーション力に対する経済学者と投資家の見方を変え、中国が長期的に現地の人材と技術の育成に取り組んできたことが正しかったことを証明した」と伝えた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2025年2月5日
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