26日に安徽省で開幕した第3回中国(安徽)科学技術イノベーション成果転化交易会にて、中国科学院理化技術研究所低温科学・技術全国重点実験室は1万ワット級ヘリウム冷却装置を初公開した。この大型ヘリウム低温冷却装置は、中国の同分野における重大な進展だ。
1万ワット級ヘリウム冷却装置とは、液体ヘリウムの温度(マイナス269度)で1万W以上の冷却を行う超大型低温冷却装置を指す。これは加速器や核融合などのビッグサイエンス装置先端研究の基幹・中核装置だ。世界最大の「人工太陽」と呼ばれる、国際熱核融合実験炉(ITER)も同規模のヘリウム冷却装置を3台使用している。
中国科学院理化技術研究所の胡忠軍研究員によると、この1万ワット級ヘリウム冷却装置が使用するヘリウム圧縮機、ヘリウムガス軸受タービン膨張機、低温熱交換器などの中核部品はすべて国産化されている。うち冷却箱の全長は約28メートル、直径は4メートル以上で、液化モードでの液化率は3370リットル毎時にのぼる。中核部品のタービン膨張機の回転速度は10−15万回毎分。この装置は国家重大科学技術インフラ加速器駆動型変換研究装置に用いられる。もう1台の小型500ワット級ヘリウム冷却装置はすでに合肥先進光源(HALF)と契約を結んでおり、第4世代光源として重要な支援力を発揮する。
説明によると、同技術は先端基礎研究や生命健康などの分野で重要な力を発揮し、さらに大規模クリーンエネルギーの貯蔵及び輸送の課題に液体ヘリウム技術プランを提供し、新エネ産業の持続可能な発展を促進する。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2025年4月27日
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