アフリカの工業化を支える中国の取り組みが、インフラ整備から人材育成、エネルギーやデジタル分野まで広がっている。港湾や鉄道などの基盤整備に加え、現地の人材力を高める支援も進め、アフリカの持続的な現代化を後押ししている。
インフラ整備で産業基盤を強化
カメルーンでは、ギニア湾に面するクリビ深水港の建設を中国港湾工程が請け負った。2018年に第1期が稼働し、今年5月には第2期の運用が始まった。年間取扱能力は450万トンに拡大し、中央アフリカからの一次産品輸出のハブとして機能している。この港から約60キロの地点には、中国建材メーカーの科達製造が投資した陶磁器生産拠点がある。港湾に近い立地を生かし、現地の陶磁器生産コストを35%削減した。
中国企業の支援を通じた「港湾+産業+都市」の連携モデルは、成功例としてアフリカ各地に広がりつつある。
ナイジェリア最大の都市ラゴスの南東部にあるレッキ半島では、中国港湾工程がレッキ港を建設し、中国と同国が共同設立したレッキ自由貿易区と共に新たな産業地帯を形成している。レッキ港は年間120万TEU(20フィートコンテナ換算)の取扱能力を誇り、自由貿易区は23億ドル(1ドル=約145円)の投資が集まった。「メイド・イン・アフリカ」を世界市場へ届ける一大拠点となっている。
今年は中国・アフリカ協力フォーラム(FOCAC)の設立25周年に当たる。この間、中国はアフリカで約10万キロの自動車道路、1万キロ以上の鉄道、約千基の橋、100近くの港湾の建設や改修を支援してきた。アフリカ各国の近代インフラの建設と、相互接続による協調的な発展に大きく寄与している。
人材育成で持続的な発展を支援
中国は近年、「一帯一路」共同建設構想と中国・アフリカ協力フォーラムの枠組みに基づき、アフリカの能力構築を継続的に支援してきた。アフリカの工業化に持続可能な原動力を与える取り組みとして特に注目されているのが、人材育成面での支援である。
アンゴラのウアンボにある技術訓練総合センター(CINFOTEC)では1月、温州職業技術学院が中国の大学や企業と共同設立した「アンゴラ・中国エンジニアリング技術学院」が開校した。受講生はすでに延べ2千人を超えている。
中国の海外職業教育の代表的なプロジェクトである「魯班工坊」も、アフリカ各地で人材育成を後押ししている。マダガスカルのシャミナ高等教育・科学研究相は同プロジェクトについて「質の高い訓練の機会を提供し、実践力を身につけた若手エンジニアや技術者を育成することで、その国の人的資源の水準を高めるとともに、現地の工業化発展を力強く促進している」と評価する。
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