拉薩(ラサ)の八廓(パクォ)通りは人通りが絶えず、商店が立ち並ぶ。ある古い建物の中庭にある卓番林工芸品店は多くの観光客を引きつけ、店内のバッグや置物、毛布など高原の特色ある手編み品が目を引く風景となっている。店主の卓瑪(ツォマ)さんは、商品は林芝(ニンティ)、日喀則(シガツェ)などの地元女性が手作りしたものであると説明する。同店はこれまでに300種類以上の民族工芸品を開発し、多くの農牧民が工芸職人に転身するきっかけとなった。
西蔵自治区成立後、各民族は主役として社会主義建設に参加。特に党中央が7度にわたり西蔵工作座談会を開催し、一連の特別優遇政策と柔軟な措置を講じたことで、美しい郷土を建設する西蔵各民族の幹部・大衆の意欲・主体性・創造性が大いに高まり、西蔵の各分野における全方位の進歩と歴史的成果が大きく促進された。
1954年には川蔵公路と青蔵公路が開通し、人類の道路建設史上の奇跡を創出。現在の西蔵では、道路・鉄道・航空など多様な交通手段を網羅した総合立体交通網がほぼ整備済み。道路総延長は12万4900キロに達し、全ての郷・行政村に道路が通じ、国際・国内航空183路線が就航。川蔵鉄道拉薩(ラサ)-林芝(ニンティ)線(拉林区間)も開通済みだ。
那曲(ナクチュ)市班戈(バンゴ)県の牧畜民である45歳の拉達(ラダ)さんは、西蔵の道路網拡充時に建設・運輸会社を設立。現在2社の年商は1千万元を突破し、100人以上の雇用を創出している。「今後は阿里(ガリ)などにも事業を拡大し、より多くの農牧民の収入増を支援したい」と拉達さんは語る。
60年間で西蔵の経済規模は拡大を続け、発展の質と効果が顕著に向上。地域生産総額(GDP)が最初の1千億元に達するのに50年かかったが、次の1千億元にはわずか6年で到達。現在は3番目の1千億元に向け奮闘中だ。
西蔵では現在、クリーンエネルギー、文化観光、グリーン製造業など9つの産業が急成長し、現代産業体系がほぼ確立。主要経済指標の伸び率は数年にわたり全国上位を維持。西蔵の2024年のGDPは2765億元で、不変価格ベースでは1965年の155倍(年平均増加率8.9%)。都市住民の1人当たり可処分所得は5万5444元で1965年の121倍、農村住民は2万1578元で199倍となった。
経済発展は民生改善と人民のより良い生活への期待を支える堅固な物質的基盤を提供。
データによると、西蔵には80カ所の特別困難者集中扶養センターが設置され、5825人が利用。5段階の医療衛生サービスネットワークがほぼ整い、医療機関数は7231機関、病床数は2万1551床に。すべての郷・鎮と行政村の70%で5Gネットワークが利用可能。農村住民の1人当たり住居面積は41.32平方メートル。
今日の西蔵では、人々の生活水準の顕著な向上、教育事業の優先的発展、都市・農村の公共医療衛生サービスの持続的な充実化、多層的な社会保障制度の基本的な整備など、人民を中心とした時代の絵巻が描き出されている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2025年8月19日
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