70数秒ごとに、新車が1台ラインオフ……貴州省貴陽市観山湖区にある貴州吉利汽車(自動車)製造有限公司の工場では、生産が忙しく進められている。自在に動くロボットアームが自動で接着剤を塗布し、フロントガラスを取り付けていく。3000人余りの従業員がタイヤを装着し、検査を行い、自動化設備と息の合った連携を見せる。人民日報が伝えた。
同社の李飛平社長補佐は、ラインオフを待つ自動車の列を指しながら、「最近は稼働時間を延長して対応しているが、まだ2万〜3万台が生産待ちだ」と語る。
忙しく稼働する生産ラインが運んでいるのは、消費者の期待だ。貴陽市白雲区にある吉利の新エネ車販売店「吉利銀河新エネルギー体験センター」では、車内スペースの広さが気に入って「銀河E5」を購入した張土英さんが、人生で最初のマイカーを受け取った。「今後結婚して子供ができても便利だろう。車載システムも反応が良く、総合的なコストパフォーマンスが高い」と張さんは話す。
張さんの選択は、新エネルギー車の消費トレンドの変化を反映している。かつては価格や急速充電時間、動力性能などを含む仕様が注目されたが、現在では車内スペース、快適性、スマート化レベルなど、乗車体験や細部も注目されるようになった。
消費サイドのニーズの高度化によって、逆に供給サイドが変革を迫られている。李社長補佐は、「この車を設計する際、シャシー構造や部品配置を総合的に検討し、より広い運転・乗車スペースを確保した。『銀河E5』は昨年8月の発売以来、販売台数が21万台を突破した」と述べた。
同じモデルが、世界80以上の国と地域に向けて同時に開発された。今年に入ってから、すでに約5万台の「銀河E5」が海外に販売された。
「自動車メーカーが生産したものをユーザーが買う」時代から、「ユーザーが必要とするものを自動車メーカーが生産する」時代へと移行している。吉利は、ユーザーのニーズを重視した評価システムを構築し、車両発売後、第三者に委託して、購入後3ヶ月以内のユーザーを対象にアンケートによるフォロー調査を行っている。
こうしたフォロー調査などを通じ、吉利は多方面からユーザーの意見や提案を収集し、それを評価チームが定期的に整理して、製品改良の参考にしている。
供給サイドが消費サイドのニーズに迅速に対応できるのは、現地の産業チェーンが日増しに整ってきているおかげだ。吉利が貴陽に拠点を設立してから10年で、貴陽には座席シートや板金などを生産する関連企業47社が集積し、現地調達率は48%にまで高まった。
自動車用の座席シートを生産する貴陽双英自動車座席有限公司の責任者・張峰氏によると、「座席シートのような大型部品は輸送コストが高いため、近隣から調達することでコスト削減と迅速な対応が可能になる」と話す。同社は吉利の製造拠点から4キロメートルしか離れておらず、座席シートのシリアル番号を受け取ってから、平均1時間以内に対応し、組み立てラインに届けることができる。張氏は、「1本の生産ラインで60秒ごとに1つの座席シートをラインオフし、1日平均で約250セットを納品できる」と説明した。(編集NA)
「人民網日本語版」2025年12月12日
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