このほど安徽省六安王市で前漢時代の「六安王」の墓が発見され、その石椁が開かれた。発掘現場で、千年前の酒1つぼ、鉄の矛(ほこ)、銘文の入った銅の壷などが発見された。
千年前の酒を発見
専門家によると、外側の貯藏室の発掘の際、銅の壷に入った特別な液体が残っているを発見した。液体には酒かすのにおいがあり、初歩的な鑑定を通して、アルコールが入っていることがわかった。穀物を原料とする酒だと推測されるが、酒の具体的な種類とアルコール含有量は計器による判定を待つしかない。
鉄の矛には金と銀の糸が
考古学関係者によると、鉄の矛や鉄の刀も発見された。それと同時に、皮、金銀および布など何種類かの新しい混合材質のものも発見された。長い矛の上の部分には金銀錯の工芸が用いられている。交差している金と銀の糸のせいか鉄の矛が輝いて見える。矛の外側には皮革製のカバーがあり、カバーには精緻な彩色上絵の図案が施されている。
石椁の北側に朱砂の彩色上絵
石椁を開けた際、考古学関係者はまず石椁の北側にある彩色上絵の存在に気づいた。赤色の彩色上絵は色鮮やかなものであり、兵器に絵付されているものと酷似している。専門家によると、この彩色上絵は粉彩の技術を用いたもので、天然の朱砂を顔料として用いているので、千年を経てもなお鮮やかな色を保つことができたのではないかと見ている。
銅の壷にある銘文
外側の貯藏室で発見された銅の壷には、「沈氏容十升重三十一斤」という銘文が刻まれている。この銘文は前漢の度量衡の研究に役立つと見られている。
「チャイナネット」 2007年1月25日