【月のサンプルを地球に持ち帰る】
欧陽氏によると、中国が現在実現を目指している月探査計画は、「周回」「着陸」「帰還」の3段階構成で、これらは「無人段階」である。まず月に向けて衛星を打ち上げ、全面的・系統的な探査を行う。月の「資源」を解明した後に、初めて着陸機を送り込み、特定の地区を精密に探査する。そして第3段階が、月のサンプルを地球に持ち帰ることだ。
「ヘリウム3は地球にはわずか15トン前後しか存在しないが、月にはおよそ100~500万トン存在する。これは人類社会が長期間、安定して、安全に使用できる、クリーンで安価な、コントロール可能な核融合エネルギーの原料となる」「こうした核融合による発電が実現した場合、1年間の発電に中国が必要とするヘリウム3は約10トン、全世界では約100トン。人類は1万年以上のエネルギー源を手にすることになる」――。
欧陽氏は、中国の月探査計画には、外国が行っていない多くのミッションがあるという。たとえば中国は月のすべての土壌を全面的に残らず探査し、ヘリウム3などの埋蔵量を算出し、ヘリウム3に関する最も信頼度の高い報告する予定だが、これは全人類に幸福をもたらすものだ。
写真:衛星「嫦娥1号」予想図
「人民網日本語版」2007年8月10日