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「偶像」の選択、各自それぞれに
発信時間: 2008-04-16 | チャイナネット

90年代に入り、とくに90年代中期以降、社会や文化は伝統を覆し、深くこだわらない、権威を揶揄するナンセンスの時代に入ったと考えられた。香港の映画スター・周星馳と大陸の作家・王朔らが青年の新たな「偶像」に。

周星馳の「偶像」としての地位について言えば、彼が主演した『大話西遊』シリーズを挙げなければならないだろう。95年撮影のこの映画は公開時は惨憺たるものだった。00年ごろになって、ネットやVCDなどで先ず若者の間に広まっていく。周星馳のナンセンスの様相は数多くの若者の心を深く捉えた。「大衆文化が再び勝利したことを示すものだ」と評価する人もいた。

北京の作家・王朔は、最も早くよく知られたのが『編集部の物語』の脚本だ。その後、小説をもとに制作したテレビドラマ『やみつき』と馮小剛の喜劇映画の大成功で、その名を広く知られるようになった。彼の小説は独特の風格がある。描き出した人物の「俺はごろつき、誰だって怖くないさ」、といった世間をもてあそぶ風、ローカル色と活力に満ちた、しかもその通俗的な対話、それに加え権威ある言葉とインテリやエリートの逆風刺的な嘲弄が、多くの若者をとことん引きつけた。

 

 
周星馳の代表作『大話西遊』 王朔の小説をもとに制作したテレビドラマ『やみつき』も大人気 
 
 
「2007年中国ベスト10ロレンスチャンピオン大賞」を授賞した劉翔選手 姚明選手は、NBAオールスター試合の前に、記念バスケットボールにサインしている。 

21世紀の今、ネットなどのメディアが発達したことで、世界各地のスターが人びとの目に止まるようになった。だが同時に、スターや「偶像」の寿命は短くなりつつある。3年もたてば忘れ去られてしまうことすらあるほどだ。

エンタテイメントスターを除けば、今日でも毛沢東や周恩来など政治指導者は崇拝されている。政府関係でも著名人は少なくない。姚明や劉翔など国が誇るスポーツ選手も演芸・芸術分野のスターと同様に幅広い人気を保持。ビル・ゲイツや袁隆平、馬雲など「知識の英雄」、企業家も成功と富を志向する青年にとっては新たな「偶像」だ。銭鐘書や陳丹青など「文化の英雄・エリート」もそれぞれに崇拝者がいる……。情報が炸裂する今日、「偶像」は実際にはそれぞれが選択することになる。これまで見られなかったのは、多くの人が自分の「偶像」は自分だ、と明言していることだ。

 

「チャイナネット」2008年4月16日

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