「友人の皆様、あなたの手を出してください！私とあなたは心と心がつながり合い、永遠に1つのファミリーの人間である。」ゆるやかで、気持ちのこめられた北京五輪開幕式のテーマソング『私とあなた』が、儀礼の国の国民たちの親しみ深さとお客様たちを大切にする気持ちやオリンピックの主旨を表現し、そのメロディーは典型的な「中国風」のものである。

音楽は文化の重要な構成部分である。出土した文物が裏付けているように、中国は世界ですでに知られているところでは最も先に音楽が現れた国の1つである。戦国時代（前475-227年）の『呂氏春秋・仲夏紀・古楽編』は音楽について次のように記載している――遠い古代の朱襄氏族の部落はかつて音楽が占いのような魔力をもつものであると思い、地元の人たちはそれで雨乞いをした。湖北省で出土した2400余年以前の65件からなる編鐘は、古今のさまざまな音楽を演奏することができる。北京五輪の開幕式のテーマソングは「5音」で作曲したもので、「宮、商、角、徴、羽」は中国で古代の楽器を演奏する際によく使われている「5つの音」である。

昆曲（古い伝統演劇）の小生（若い男役）の歌う「春江花月夜」の楽曲は、400年前に光り輝いた「国連が最初に認定した非物質文化遺産」の1つを世間の人たちの前に再現したもの。京劇の「師」とも言える昆曲のきらびやかな美しさ、豪華で高貴なメロディーは、中国の特産物である絹織物のように多くの外国の友人たちに喜ばれている。

北京五輪開幕式文学作品創作室主任の高新生氏は、「中国の長い巻き物の水墨画は作品の世界、芸術の情趣を重視したものであり、中国人の哲学理念を含むものである。近代舞踊の形態でそれを表現し、人間が墨に変わり、紙の上に山水、太陽を描きあげた。この紙はトータルな設計の中で最もクリエｲティブな構想によるものである」と語っている。欧米諸国の油絵のキャンバス、枠と違い、「絵巻物」という独特な中国色、独特な中国文化の記号は開幕式という最も個性のある、唯一のプラットフォームにおける芸術家と科学者たちの眼を書き記す筆として、世界じゅうの人たちに提示され、これは中国の伝統文化の新たな貢献である。

百年ものオリンピックに対する夢を心に秘めてきた、長い歴史を持つ民族として、世界のスポット・ライトの下で初めて登場を果たした姿は、多くの人々の間で好評を博した。オーストラリアのクリエイティブの大家といわれるリクボキ氏は、北京五輪のレベルの高さはみんなにとって目を見張らせるものであったと語っている。アメリカ『ニューズウィーク』誌は「息を凝らすほどの美しさ」と形容している。

アンディ・ホイルというイギリス人観衆は、「開幕式は私のこれまでの中国に対する見方と印象を変えるものであった。私は、中国の正しいイメージは文化と歴史の基礎がきわめて分厚く、国力がかなり強く、科学技術が日ましに発達し、人々の心理状態が落ち着いて健全なものであると言わなければならない」と語った。

「チャイナネット」2008年8月26日