(2)ロンドンの招きには婉曲に拒否
北京五輪の開幕式に対し、張芸謀監督の評価としては「少なくともこの10年以内には再現できないレベルだったと思う」と答えている。なぜなら、3つの方面が見事に結びついたものだからだ。▽その一つは、現代手法。光や音といったマルチメディアの手段▽2つ目は、出演者による演技。あれほど多くの人数とマルチメディアの一体化は一つの壮挙だった▽3つ目に大道具、衣装、大装置など――。張芸謀監督は五輪が終わって、心の所在なさを感じていると言う。「今回の仕事は非常に長い期間をかけたものだ。式典が終了し、スタッフも解散となり、次の日には機上の人となった。あの騒々しさが嘘のようだ。なんだか心にポッカリ穴が開いたようだ」と述べている。張芸謀監督がスタッフたちに言った言葉の中にこんな一言がある。「君らがこの仕事に関わるのは短くて数カ月、長くて2、3年と言ったところだろう。だがな、私はこの仕事にもう7年も係わっているんだよ」と。
ロンドン五輪組織委員会は、2012年のロンドン五輪開幕式の総監督にも、張芸謀氏を招きたかったそうだが、張芸謀監督は婉曲に断ったという。ロンドン五輪組織委員会の委員の一人が、開幕式監督の経験を尋ねたところ、彼は感慨深く、「開幕式会場をなるべく早く、監督に使わせてあげることだな」と答えたという。張芸謀監督がロンドン五輪開幕式監督の人選は決まったのか?と尋ねると、この委員は「まだ確定していない」と答え、さらに「もう一度、開幕式の監督をやる気はないかい?」と聞いた。張芸謀監督は「北京五輪開閉幕式の監督業務で、多くの精力を費やしたから、今回はさすがに疲れた。もう一度、なんてちょっと無理だ。」と答えた。張芸謀監督はロンドン8分間(北京五輪閉幕式におけるロンドン側のパフォーマンス)を手がけたビル・モリス監督は良い人選だったと思うと述べており、「8分間の構想は非常に優れており、我々の舞台にうまく頼っていた。陸上トラックの上にロンドンを象徴する2階建てバスを登場させたことは、とても素晴らしいパフォーマンスだと思う」と述べている。
「人民網日本語版」 2008年09月05日
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