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「嫦娥一号」が月面に落下する その瞬間の観測は「かぐや」にお願いすることになるかも
発信時間: 2009-02-03 | チャイナネット

国防科学技術工業委員会の責任者はこのほど、月探査衛星「嫦娥一号」は時期を見て月面に落下させることを明らかにした。

中国科学アカデミーの欧陽自遠会員は、「月面に衝突させるというのは、月探査機の使命を終えるにあたっての一般的なやり方である。燃料が尽きて月面に落下するより、月面に激突させて、月を知るためのデータを入手するほうが合理的である」と語った。

南京大学の天文学を専門とする蕭耐園教授は、「月面に激突すると、大量のほこりが舞い上がることになろう。これらのほこりは、月の起源の謎を解明するための手がかりとなる。また、もし「嫦娥一号」を所定の時点に予定通りの地点にぶつけることができるなら、今後の探査機の正確な着地の実現も可能となる。さらに、小さな惑星の地球との激突を防ぐためにも役割を果たすことになろう。核兵器を小さな惑星の特定の個所に命中させ、その運行の軌道を変えるという現段階にとられ得る手段にとって、今回の月面への激突は貴重なデータを提供できるに違いない。「嫦娥一号」は激突寸前の写真を撮影することもでき、これらのデータは大に役立つものとなろう」と語った。

「嫦娥一号」が月面に激突する際、月をめぐる中国の探査機は存在しない。激突の過程やその後の状況を観測できなければ、その科学的な価値の面で大きなロスとなる。これについて、北京大学の焦維新教授は、「日本の科学者たちと協力する可能性もある。日本の月探査衛星『かぐや』に『嫦娥一号』が月面と激突の過程を観測してもらい、そのデータを中日両国が共同で研究する形となることもありうる」と語った。欧陽自遠会員は、「これを実現するために、『かぐや』がちょうどその時点にその位置に到達し、しかもカメラのレンズもその位置に向けられていなければならない。二つの衛星の動きを38万キロも隔ててコントロールするのは非常に難しく、両国の科学者の真剣な協力が必要である」と語った。

「チャイナネット」2009年2月3日

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